早乙女萌のその後
「早乙女萌のその後、前編」
___動き出す、私の物語
これは私、
「もしもし、桃花ちゃん?あのさ、今度のオーディションのことなんだけどさ、私やっぱり出たい!」
___遡る事数ヶ月前。
「久しぶり、萌ちゃん!」
「あ、桃花ちゃん!」
「今度さ私の事務所でオーディションあるんだけどどうかな?うちって結構音楽とかにも力入れてるし最終審査ではネットでの配信もあるみたいだし!」
「うーん」
「微妙?」
「いや、なんていうかピン!と来ないというか‥」
「まあ応募期間まではまだまだ時間あるから大丈夫だよ!」
「分かった!ありがとう。」
ピンと来なかったというよりはなんかオーディションとかは違う様な気もしてた。
私の思うアーティストっていうのはインディーズで頑張って、その都度挫折を繰り返しながらも成長していくみたいなのが私のイメージだからである。
でも、そんな事どうでも良くなる様な出来事があった。
まず、
驚きはなく、まあやっぱりねぐらいにしか思わなかったけど内心このまま上手くいかないで邪魔者がいなくなってから3年の優希と2年の私で楽しくやっていくつもりでもいたのであった。
次にゆいさんに出会った事である。
あの人の描く絵は私の理想で私の気持ちで私の心の中の様で運命だと思った。
だからこそ、その絵を私のジャケットにして最高のCDを作ってみたくなった。
.
.
.
「だから桃花ちゃん!私やるよ!」
「そう、良かった!絶対に良い事務所だからオーディション頑張ろうね!!」
「うん!」
そうして私達はオーディションに向けて作戦を練る事にした。
__音楽スタジオにて‥
「お待たせ〜萌ちゃん!」
「今来たところだよ〜」
「とりあえず、レコーディングはやるんだよね?」
「はい、それでゆいちゃんの絵でCDをまず作ろうと思ってる!」
「いいね!ゆいちゃん今週末ライブ見に来るんだよね?」
「はい!その時に聞いてもらってから色々やってもらおうと思ってます!」
「一次審査はとりあえず面接だから自分の強みを沢山見せるしかないわね。」
「歌しか出来ないんですけど大丈夫ですかね?」
「大丈夫よ?萌ちゃん可愛いし?」
「それってなんとかなる要因ですかね‥」
.
.
.
数日後私は無事にライブを終え、ゆいさんにも見てもらえた。
※ 詳しくは「菊池ゆいのその後、後編」に掲載してますのでそちらも見てください!!
そしてゆいさんから連絡があり絵が完成したらしい。
「どう、かな??」
「凄い‥」
「生きてるみたい。」
「凄いですよ!!!ゆいさん!まるで私の気持ちの写し鏡みたい!」
私の歌がそのまま絵になった様でびっくりもしたが、それ以上に私も良い歌を作らなきゃいけない気持ちになった。
___レコーディング当日
「今日はよろしくお願いします!」
「うん。よろしくね。」
お兄ちゃんのバンドhumanoid sound systemのレコーディングを担当してる
「うちの可愛い可愛い妹をよろしくお願いします!!!!!!!!!!」
何故かお兄ちゃんもレコーディングについて来ていた。
「プリプロの段階の音源聴かせてもらったけどすごく良いね、声も優しいけどどこか儚い感じがさ〜」
「ありがとうございます!」
「でも、提案なんだけどさ!hssのみんなに演奏してもらってバンド編成のも録ってみても良いんじゃないかな?」
「よこさん!流石っす!そう言われると思ってみんなこの曲練習済みなんですよ!!」
「えー!!!!」
「妹の大事な大事な初レックだから俺もなんか力になりたくてな!」
「あ、ありがとう‥」
「全く可愛いなぁ〜」
実の事を言うと小さい頃からずっとお兄ちゃんの後を追っている。
服を好きなったのも、音楽を好きになったのも全部お兄ちゃんの影響である
「萌ちゃんさ、歌い方なんだけど今でも十分なんだけど、もう少し言葉を一文字、一文字大事に唄ってみて欲しいな!そうしたらもっと言葉が伝わるよ!」
「ありがとうございます!試してみます!」
数分後わざわざhssのメンバーもスタジオに来てくれた。
「萌ちゃん、ついに初レックかぁ〜楽しみだなぁ〜」
「リズム隊は任せてくれ。」
「うむ。」
こうしてレコーディングが始まった。
プリプロを聴きながらドラム、ベース、ギターと順調に進んでいった。
「じゃあ次は萌ちゃんの番だね!!」
「はい!よろしくお願いします!」
ガチャッ
スタジオの扉が開く音がした。
「すいません〜お待たせしました〜」
桃花ちゃんが応援に来てくれた。
「え!!モデルの桃花ちゃんだよね???」
そう反応したのはベースのヒロキ君だった。
「そうですけど‥」
流石は有名人と思ったがみんなは大して知らないみたいな顔をしていた。
「俺、本名さ、
あいつ海外なんか行っちゃったけどよく桃花ちゃんの話聞いてたよ!」
まさかの桃花ちゃんのいつも隣にいる人のお兄さんだった。
「え!和也のお兄さんなんですね。
いつもお世話になってます。」
「あいつ無愛想だけど良い奴だから仲良くしてあげてな。」
「いやいや、私にはすごく優しいんですよ!」
意外な繋がりに話が盛り上がった。
「そうそう!あの、これ萌ちゃんに‥」
そう言って萌ちゃんがハチミツをくれた。
「え、ハチミツ?」
「え?プロのボーカリストってよくハチミツ生で飲むって‥」
「ハッハッハ、確かに、飲む人もいるよね!
試しに飲んでみれば?喉の調子も良くなるし!」
「そうなんだ‥ありがとう桃花ちゃん!」
そうして私は自分のレコーディングに挑む事になった。
ー続くー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます