小山田栞菜のその後
「小山田栞菜のその後、前編」
冬の寒さにチョコレートの溶けるような口付けを‥
そう、これは私、
.
.
.
「栞菜、大丈夫?」
「どうしたの〜?
彼女は
実は”
「いや、今年は渡さなかったんでしょ?毎年恒例の義理という名の本命チョコ。」
「うん、なんか作るには作ったんだけど…」
「私が貰ってあげてもいいよ?本命?」
「何それ〜励ましてるつもり〜?」
「私は結構本気なんだけどな〜
な〜んてね」
「え??」
「もちろん友達として本気って事。」
「な、なんだ〜そうだよね〜!」
沙織はたまに凄いスキンシップをしてくる時がある。
でも、私の数少ない友達で最近は優希や
「部活、2人になっちゃったね〜」
「うん。寂しい?」
私達の所属しているお菓子研究茶道部は先輩2人がやっていたお菓子研究同好会に私が茶道同好会に沙織が入って部になれば部費もアップするという安直な理由で部活になったのだった。
「私はさ〜寂しいけど沙織がいてくれればそれで良いんだよ〜」
「やっぱり謎部系つくる?隣人部とか奉仕部とか?」
「う〜ん私にはさっぱりだよ〜?」
沙織ちゃんはアニメが好きらしい。
本人曰く、オタクと呼べるほどゾッコンしてるわけじゃ無いからただの好きな人だよ!という。私には違いがわからないけど‥
「でもやっぱ2人も良いけど先輩も少し狭いこのコタツあり茶室もなかなか良かったなぁ〜」
「今は2人きり、だもんね?」
そう微笑む沙織は可愛かった。
そもそも沙織は猫背で目も隠れるほどの前髪のせいでお化けみたいになってるけど本当はすごく可愛いし昔見せてもらったコスプレ?もすごく可愛いかったがみんなにな内緒らしい。
「そういえば、今日は舞ちゃんと出掛ける予定だったんだ〜!!」
「ふ、ふ〜ん。そっか」
「沙織どうしたの?」
「別に。」
一瞬気のせいか沙織が不機嫌になったようにも思えた。
もう少し一緒に居たかったのかな?
「来週はお家来る?」
「行くよ!久々に鈴木最中食べたいし〜」
「いいの?太るよ?」
「もう、いいんだ!好きな人に振られたからやけ食いだ〜!」
「食べても良いけど最中やけ食いは聞いたことないよ?」
「まあ、来週はお邪魔するね!」
「うん!」
気のせいかさっきより沙織が機嫌良くなった様な気もする。
「じゃあ、また明日ね〜!」
「うん、栞菜、バイバイ!」
そうして私達は部室を後にした。
「あ、そういえばさ!」
「ん?」
「栞菜のチョコレート私貰ってあげるよ。」
「え?」
「もし新しく好きな人ができた時のために練習しようよ!」
「え〜いいよ〜」
「やってみなって!」
「わかった〜。
あの、ずっとずっと好きでした。
これからも側に居てください。」
「喜んで。」
「ど、どどうかな?」
「最高だったぞ〜栞菜さん。これでどんな人もメロメロだよ。」
そう言って沙織なりの励ましをしてくれた。
「じゃあまた明日。」
「うん!」
.
.
.
そうして私は舞ちゃんに会いに行った。
「やっほ〜舞ちゃん!」
「栞菜ちゃ〜ん!翼様にバレンタイン渡し忘れたよ〜」
「そ、そうなんだ。」
「栞菜は今年は渡さなかったの?兄貴に?」
「うん。やめた〜
私もいつまでも未練たらたらだと情けないじゃん?」
「そっか、まあ栞菜ちゃんは兄貴より絶対いい人いるよ!可愛いし、優しいし!」
「舞ちゃんまで‥」
私はどうやら女の子にモテるらしい‥
まあ確かに昔から優ちゃんと翼以外の男の子とはあまり話した事ないしな。
「そういえば舞ちゃんは今日どっか出かけたいって?」
「それが何ですけど!最近お世話になってるというかお世話してるというか何故か生徒会長に気に入られて‥」
「ええ!
私一年の頃同じクラスだったけど女子に凄く人気だよね?」
「そうなんですよ!!だから私は最初面倒だったんですけどなんかほっとけないっていうか何というか‥」
「まあでも良いんじゃない?
あの人と舞ちゃんお似合いだし??」
「そういうのじゃ無いですよ!!
わ、私は翼様一筋なんですからね!」
多分舞ちゃんも分かってるんだ。
翼に彼女ができてしまう事もその後の悲しさも多分受け止めたく無い現実があるのも
それでもこうやって前向いて笑えてるなんて凄いな〜とか思っちゃう。
「やっぱり、私も頑張っちゃお〜」
「え?何が?」
「いや、だから〜そろそろ前向いて走るぞ〜って事!!」
「そうそう!別に栞菜ちゃんなら大丈夫だよ!!」
「ありがとう、舞ちゃん。
じゃあ早速、愛しの入江君にプレゼント買いに行きますか〜」
「だから!そういうのじゃ無いんだって〜」
私は昔からちょっと鈍臭くておっちょこちょいだけど、昔から自分の道だけは自分で決めてきたのだ。
だから今はまだ少し優ちゃんの事引きずるけど‥
それでも前向いて走っていくのだ!!!
ー続くー
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