第七章 リヴァイア寮の貴公子
ウォンがマナと付き合いだしたという宣言をされた日、ジャック、ホルン、ウルカは三人で次の特別授業のために移動をしていた。
特別授業は普段行われている通常の授業とは
一応魔法陣が多く存在している駅集合なのだが、朝からホルンの様子がおかしい。
ジャックとウルカはその理由を知りながらも、恐る恐る聞いてみた。
「なあ、ホルン。どうかしたのか?」
「うん?もう大丈夫だけど」
そうは言うが、その
例え一週間という期限がついていても、ウォンがマナと付き合っているというのは不安らしい。
その不安はジャックやウルカも同じで、もしこのままウォンがジャック達三人から離れて行ってしまったらという想像が止まらない。
三人は気分が落ち込みながらも、駅に着いた。
今日の特別授業はドラグーン寮だけでなく、リヴァイア寮とも合同で行うもので、既に多くの生徒が待機している。
あまり他の寮の生徒と関わることがないので、知らない生徒達がいるとどうしても
すると、教師として現れた人物は
長い髪を
どうやら校長直々に授業を行うらしい。
その
「本日の特別授業は私が担当する。普段よりも厳しい授業になるだろうが、
シャンラが指示したのは、多く並んでいる魔法陣の中の一つ。緑色の魔法陣だ。
「これは今回の特別授業のために用意した場所に繋がっている。ルールは簡単。フィールド内に一体だけ存在している魔物を先に倒した寮の勝ち。転送先は仲間と固まることはなく、一人の状態からクリアを目指してもらう。質問のある者はいるか?」
シャンラがそう言うと、ウルカと同時に一人の男子生徒が手を挙げた。
ドラグーン寮の生徒は知らない、緑髪の青年。
シャンラは先に青年の方に発言を
「魔物には最後の一撃を与えた方が勝利、ということで良いですか?」
「そうだ。
「いいえ。私も彼と同じことをお聞きしようとしていました」
「そうか。では、
ここまで命を
順番を待っていると、ジャックはウルカが視線を先程の男子生徒を見つめていることに気付いた。
「おい。あいつがどうかしたのか?」
「ええ。あの人、見たことがないのですわ」
ウルカの返答に、ジャックは首を傾げた。
あの男子生徒とは違う寮なので
だが、ウルカの考えは違った。
「どういうことだ?」
「校長先生相手にも堂々と質問できる生徒なんて、魔法使いの家系の中でも優秀なはずですわ。なのに多くの
「なるほどな。それは興味持つのも当然か」
ドラグーン寮のリーダーであるウルカが認める
ジャックが魔法陣に触れると、知らない山の中にいた。
かなり木が
ジャックは静かに瞳を閉じると、すぐに目を見開いた。
その方向を見ながらステップで距離を取り、すぐに
「
右手に剣を生成し、タイミングを
しかし、なぜかタイミングをズラされて、何かが飛び出してきた。
何とか反射神経で
それは、先程の男子生徒だった。
完全な
男子生徒は両手を上げると、平然と口を開いた。
「君と戦う意思はないよ。どうか信じてほしい」
その声に
「どういうことだ。この授業は寮対抗戦、俺に攻撃しない確証はないだろ」
「それは
それは
先程の一瞬で感じ取った異常は、目の前の男子生徒だけではない。
山の頂上付近に、明らかに他とは違うオーラを放つ何かがいる。
それこそが今回の授業で課された目標、倒すべき魔物だろう。
「こんなに広大なフィールドなのに、目標の魔物は一体だけ。つまりは、その一体が少なくとも
「なるほど」
この男子生徒が言うことは
頂上で待ち構えている魔物は、クルーシャードより少し劣る程度だが、かなり強力な魔物。
お互いに争いながら討伐することは困難を極めるだろう。
この男子生徒には
ここは断る理由もないだろう。
「わかった。俺はジャック・ガルデリア」
「僕はダンテ・ハルバーン。よろしく」
ダンテとジャックが
数匹の魔物が接近していることを感じ取ったからだ。
手を
「剣」
「
ジャックは
魔狼の群れを
「なるほどね。時間経過で魔物が追加されるのかな」
「さっきまでは気配がなかったからな。さっさとケリをつけた方がいいな」
意見が
*************************************
「ジャックさん、大丈夫でしょうか、、」
ウルカはジャックを心配しながら、ドラグーン寮の生徒数人を引き連れて頂上を目指していた。
ここまでで
先程から時間経過で魔物が頂上から降りてくるので、一人だとほぼほぼ
残りの不安材料は、同じくどこにいるのか分からないウォンくらいだ。
リヴァイア寮にも
すると、ウルカの
「なあウルカちゃん。なんでホルンちゃん
「あー、、。それは、いろいろ深い事情がございまして、、」
アッシュはジャック並みに人を見る才能がある。
今朝の宣言で動揺しているホルンを見抜くことくらい
ウルカが
「何してんねん、ウォン君は」
「でも、きっと何か事情があるはずですわ。私はウォンさんを信じていますし、ホルンさんもきっとそうですわ」
「ふーん」
ウルカは友人としてウォンを完全に信用している。
マナと付き合うのはこの一週間だけだと、今朝言っていた。
期間が決められているということは、また何かしらの面倒ごとに巻き込まれているのだろう。
それを相談してくれないのは、ウルカにとって少しショックなのだが。
アッシュは
「ウルカちゃんって、結局どっちが好きなん?」
「それはどういう、、?」
「ウォン君とジャック君。どっちが好きなん?」
「え、、」
「なーんか話聞いてる感じ
ウルカは動揺して思わず足を止めた。
ウォンとジャックのどちらを好きか。その『好き』は間違いなく異性としてだろう。
アッシュも同じように足を止めると、少し
「そ、そんなこと、考えたこともありませんわ」
「そうかな。僕はそうは思わへんけどな」
アッシュは内心呆れながらも続ける。
「ウォン君もジャック君もどこにいるか分からへんのに、ウルカちゃんはジャック君の心配しかせえへんかったやん。それが答えちゃうの?」
ウルカはそんなことを気にして、ジャックに対する心配を呟いたわけではない。
少しだけ視線を
「それは、ジャックさんの方がしっかりしていないからですわ。いつも危なっかしい
「ごめんな。まだ時期尚早やったみたいや」
「何か勘違いしていそうですが、分かってくれたなら何よりですわ」
アッシュが追及を
*************************************
「
山の
できるだけ同じドラグーン寮の生徒との合流を目指したウォンだったが、結局合流できたのは二人だけだった。
「ホントにウォン君って強いね」
「マジで助かるぜ」
そう礼を述べるのは、寮の
二人は魔法力自体は平均以上はあるのだが、まだ木が多く生えた
まだ対人戦闘を行っていないため順調に進んでいるが、このまま二人を守りながらリヴァイア寮の生徒を相手するのは、流石のウォンでも難しいだろう。
ここは、二人の実力を正確に知っておく必要がある。
「次来る。頼んだ」
ウォンが試しにそう言ってみると、二人は自信満々に頷く。
少々不安が胸に積みあがっているが、ここは二人に任せるしかない。
「
セシリアは魔狼を取り囲むように音を発生させ、その音量によって魔狼を
一匹を気絶させたセシリアは、飛び跳ねて喜ぶ。
「やったやった!倒せた!」
「やるな、セシリアちゃん。俺も!」
セシリアの
「
地面から大量の
砂鉄の竜巻は
おそらく中の魔狼はズタズタに切り裂かれているだろうが、レンは魔法を解除することはない。
流石に心配になったウォンがレンの右肩に手を置いた。
「レン。もういい」
「そうはいっても止まんねぇ!」
「え、、」
さらに巨大化していく砂鉄の
「ど、どうするのこれ!?」
「ごめん!解除できない!」
「離れて!」
セシリアとレンをウォンの
「火炎」
巨大な火炎を地面から発生させ、魔法操作で
高度な魔法操作をしながら、砂鉄を全て燃やし尽くすために火力を上げていった。
「レン!ごめん!」
ウォンはそれだけ言って、砂鉄を全て燃やし尽くした。
魔法を火力で解除させることは、魔法使いにとって負担になることだ。多少なりともレンは負担をかんじるだろう。
なんとか対処できた三人が
「疲れた、、」
*************************************
それぞれが順調に頂上に進んでいる中で、
実力も申し分ない二人なので、頂上から降りてくる魔物も順調に討伐しながら、
あと少しで頂点に着くだろうタイミングで、ダンテはジャックに聞いてくる。
「ジャック君は魔法使いの
「まあそうだな。でも、あんまり有名じゃない」
「ってことは
「多分」
ジャックは自分の家になど興味はない。
魔力量が
そんな家について知りたいことなど何もない。
しかし、ダンテはそんなジャックを
「いいなぁ、、。僕は魔法使いの家系じゃないからさ。魔法使いになること自体、すごく反対されたんだよね」
魔法使いの家系ならば、何もしなくても必然的に魔法使いになることになるが、一般人家庭から魔法使いになることは難しい。
そもそも一般人は魔法使いを下に見ている傾向がある。
だからダンテは魔法使いの才能を否定され続けたのだろう。
生まれた家庭は違えど、ジャックとダンテの立場は似ている。
魔法使いとしての才能を否定されたジャックと、人間として生きることを
まだ二十分ほどしかジャックはダンテと関わっていないが、もうほとんど信用しきっていた。
実力面からしても当然信頼を置けるのだが、なんといっても人格面が整い過ぎている。
普段から関わっているドラグーン寮の同級生達ももちろん優しいし、ジャックがよく一緒に居るウルカ、ウォン、ホルンも親切だが、それとは違った
ウォン達の優しさが
だからだろうか。完全には信用できないのは。
「どうしてそこまでして魔法使いになりたかったんだ?」
「昔から本が好きでね。その中に魔法使いに関する物語があったんだ。僕は魔法が身近にない環境で育ったから、自然とその物語で語られる魔法に憧れたんだ」
それを口にするダンテの表情はどこか
その本がいかに今のダンテを形作っているかを感じ取ることが出来る。
だが、ジャックは首を傾げた。
「でも才能があったのは偶然だろ?よく実現できたな」
いかに魔法使いに憧れたとしても、才能がなければただの人間にならざるを得ない。
小さい頃に夢見た魔法使いに実際なれていること自体が異常なのだ。
「うん。それは神様に感謝だね。もちろん、努力も果てしないほど積み上げてきたけどね」
「それは見てれば分かる」
「
「、、?」
ダンテの実力が高いことは、ここまでの戦闘を見ていれば分かる。ジャックは素直にそれを
ジャックがその言葉の意味を
ダンテは人差し指を
ジャックも隣に並んで
そこに居たのは、八つの首を持つ
ジャックはあまり知識がないのでわからないが、その姿を見てダンテがすぐに口を開く。
「、、
「間違いなくどちらかが攻撃されるだろうな」
ここまで山全体を音で探ってきたジャックだが、その足音や声からジャックとダンテ以外は、間違いなく同じ寮の生徒だけで行動している。
このまま誰か来るのを待っているとするなら、先に来た寮によってどちらかが攻撃されることは確定的に明らか。
ならばダンテはこう判断するだろう。
「なら僕達二人でやれるだけやろう。その間にどちらかの寮が来たなら、それは仕方ない、お
「俺もそれが
「何?」
ジャックは立ち上がると、右手首を回しながらダンテを見下ろした。
「俺はお前を攻撃させるつもりはないし、攻撃される気もない」
それはジャックの意地だ。
頂上まで何事もなく一番に到達できたのは、間違いなくダンテのおかげであり、ジャック一人では成しえなかった。
なら完全には信用しなくとも、命くらいは保証する。
ジャックの言葉を聞いたダンテは、眉一つ動かさずに
「わかった」
ダンテも立ち上がると、二人は一斉に飛び出した。
ヤマタノオロチは二人を認識すると、一斉に
「剣」
「根」
ジャックは右手に形成した剣で首を断ち切ろうとするが、寸前で首を逸らされ、傷を与える程度に止まる。
ダンテは地面から伸ばした根で頭を挟み込んで固定すると、さらに根を生やして首に根を突き刺した。
次々に首が迫り、二人を翻弄する。
最初に一頭だけ潰したダンテだったが、それ以降は完全にダンテの魔法も見切られてしまっているし、ジャックに至っては防ぐだけで反撃すら狙えない。
一頭をなんとか弾いたジャックに、右と左から同時に首が迫ってきた。
全く速さに差がない同時攻撃。ジャックの右手に握られている剣だけで防ぐことはできないだろう。
「ジャック君!」
ダンテがそう叫ぶが、完全に分断されている上に助けられるだけの余裕がない。
しかし、ジャックは至って冷静だった。
ここでこれを使うことはジャックにとっては想定外ではあったが、
ジャックは右手の剣を真上に投げ、両手を左右に突き出して詠唱した。
「剣」
両手に剣が形成され、一気に左右二つの首を切り落とした。
そして大きく跳躍し、真上に投げていた剣を蹴ってもう一つ首を切り落とす。
地面に着地すると、ジャックの頭に雷が落ちたような激痛が走った。
「くそっ、、」
先程ジャックが行ったのは
体内精霊が悲鳴を上げ、体に激痛が走る。
だが、これで半分の首を落とすことに成功した。勝利が見えてくる。
その
人間には不可能な速度で首に迫ったが、一瞬で体を
両者ともに目にも止まらぬ速度だが、ジャックの方が少し
両手の剣をクロスして重ね、尾による重たい攻撃を受け、その勢いを加えた高速回転で、首を二つ切り落とした。
疲労のせいか上手く着地できず、ジャックはそのまま地面に転がる。
残りの首は二つ。
あとはダンテの出番だ。
「根」
ヤマタノオロチを全方向から飛び出した大量の根が狙う。
ここまで
地上であれば逃げ場はゼロだったが、ヤマタノオロチは蛇。巨体を捻って地面に
それを見たダンテが不敵に笑う。
「かかったね」
地面に潜ったはずのヤマタノオロチは、しかしすぐに何本もの根によって
ダンテが使う草属性魔法は、植物をいくつかに分解して生成する魔法。
根が地面から飛び出してくるのは、そうダンテが操っているだけに過ぎず、別に地面から出して攻撃する必要はない。
つまり、ヤマタノオロチが地面に逃げることを予測し、事前に攻撃するための根を残しておいたのだ。
胴体こそ貫いたが、首を狙わなければヤマタノオロチを討伐することはできない。
すぐに追撃をかけようとしたダンテだったが、すぐ右方向から目の前に
その方向にいるのは、ドラグーン寮生である
ウルカは地面に倒れたままのジャックを見て叫ぶ。
「ジャックさん!大丈夫ですか!?」
そう声をかけるが、魔力不足の苦痛に
ウルカは怒りをその顔に
「私があの方の相手をいたしますわ。その隙にジャックさんを」
「ええで」
「私も」
三人が同意し、ウルカが詠唱する。
「
いくつかの巨大な雷電がダンテに高速で迫るが、それは全て正面から根によって防がれる。
上級魔法を防がれたことに、ウルカは目を見開いた。
「まさかこれを
今回は数を少なくして
これではアッシュとホルンをジャックの元へ向かわせることができない。
ウルカは両手をダンテに向けると、最大限に神経を集中させた。
「雷電」
二重詠唱によって
流石にダンテも正面からすべてを受け止めることはできず、残りをバックステップでかわした。
この隙にアッシュとホルンがジャックの元へたどり着き、ジャックの体を揺らす。
「ジャックくん!大丈夫!?」
「、、、ああ」
「こりゃあ魔力切れやな。大人しく転がっとくんやで?動いたら苦痛は長引くで」
魔法使いにとって、魔力は人間における
魔力がなければ体を動かすことすらままならない。
だが、ジャックは確かにダンテに
絶対にジャックの安全を
「バリア!」
ジャックが立ち上がろうとした瞬間、ホルンが詠唱した。
どうやらリヴァイア寮の生徒も
その中でも先頭にいた女子生徒が叫ぶ。
「ダンテくん!助けに来たよー!」
ダンテはその女子生徒の隣に並ぶと、
「アンナ。僕がヤマタノオロチに止めを刺すから、君達はドラグーン寮の相手を頼める?」
ダンテの言葉に、アンナと呼ばれた女子生徒が張り切って、ウインクしながらサムズアップする。
「おっけー!」
リヴァイア寮の生徒達の到着を
ダンテはアンナに伝えた通りヤマタノオロチの討伐を狙うが、魔法が飛び交う戦場の中で下手に動くことが出来ない。
しかし、動けないからと言ってこのままではジリ
ダンテは一か八かで根を使って跳躍、空中に放置された串刺しのままのヤマタノオロチに近づくが、それを見逃さないウルカではない。
正確な魔法操作によってダンテに直撃するかと思われた雷電は、彼に命中することはなかった。
激痛の中で跳躍したジャックが剣で受け止めたのだ。
「ジャック君!?」
驚くのも無理はない。
ほとんど両寮の全生徒が
とても理性的とは思えない。
ジャックはダンテを助けたが、敵には変わりない。
リヴァイア寮からジャックに向けて魔法が放たれるが、それは空中で巨大な炎に飲み込まれて消えた。
ダンテが想定していた以上の火力に驚いて視線を向けると、ちょうど両寮の中間ほどの場所に、ドラグーン寮のローブに身を包んだ黒髪の男子生徒がいる。
ウォン・エスノーズ。一年生最強として入学を許可された生徒だ。
だが、ジャックを守るのは当然として、なぜかダンテに魔法を放つ気配がない。
ジャックが守ったということは、ダンテも守る必要があると、そう判断したのだろう。
それに気づいた瞬間、ダンテは歯を
「もう終わらせよう」
ダンテはそう言うと、ジャックに聞こえない声で何かを詠唱する。
次の瞬間には残っていたヤマタノオロチの二つの首が、両方とも血しぶきをあげて切断されていた。
普通の人間より遥かに優れた
ダンテ以外の全員が
*************************************
寝室のベッドに
結局、ダンテは何がしたかったのか。
ヤマタノオロチを殺した最後の魔法は、一体何だったのだろう。あれを使えば最初からヤマタノオロチの首を全て落とすことだってできただろうに、ダンテは使わなかった。
というよりも、使う気がなかったと言った方が合っているのかもしれない。
ダンテはウォンを見た瞬間に様子がおかしくなった。
親切だったはずの彼の顔には、苦しみや怒りなどのネガティブな感情が
いくら考えても答えは出ないが、ジャックが直感的に感じていたよりも、ダンテは注意するべき生徒だということだけは分かる。
*************************************
「へ~、ダンテくんがアレ使うなんて珍しくない?」
「期末試験に向けて取っておくべきだったね。ごめん」
リヴァイア寮の談話室。
無限に周りに広がっている
そこに座っているのはダンテ、アンナ、女子生徒一人だ。
女子生徒は今日の特別授業の内容について聞き、どこか楽し気に話すが、ダンテは自分の反省を素直に伝える。
それをフォローしたのはアンナ。
「それだけあの黒髪の人が強かったってことだよね?ダンテくんが意識してアレ使うわけないもん」
「それは私も分かってるよ。だから、おもしろいんじゃん?」
女子生徒は
「いいこと思いついちゃった、、。次の期末試験、私たちは、ウォン・エスノーズに
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