第22話 秋は幻?
秋は訪れないのかと思うほど残暑が続いていて 体調を崩さない事に安堵する矢島。
「今年は異常だな~」
「本当、何時まで続くのかしら~イヤになっちゃうわ~ノン大丈夫かな」
「アイツも結婚してもう1年経つのか~孫でも連れてくりゃいいけどな~この暑さじゃしゃぁ~ね~な」 結婚して実家に居ない娘を心配する父と母。
そんな食卓で矢島と恵は黙って夕御飯を咀嚼している。
(ごめん。 孫の顔、見たいよね)
矢島はどんよりする。
恵はひたすらモグモグ。
「養子をとりましょうか? 私と聡の子どもとして迎え入れ新しい家族を増やすのはどうでしょう」
恵がゴックンをしてからのビックリ発言に矢島は口に含んだお茶を吹いた。
(え~! いきなりパパになるの!)
「別によ~焦っちゃいねぇよ。 恵くんが聡と一緒に居ることが俺にとっちゃ家族が増えて嬉しいんだよ」 矢島父は笑いながら呟く。
「聡、汚いわね~お茶吹いちゃって。吹きなさいよ」矢島母は笑いながら驚いて口を開けたままの矢島にティッシュを渡す。
家族に包まれて暖かさが身に染みる恵はこのまま穏やかな幸せを紡いで行ければと思わずにはいられなかった。
(クリスマスがあるな~矢島の好きなフライドチキンを用意してお母さんの好きなケーキも用意、ん? お父さんはビールと枝豆、刺身と····後なんだったかな?) 普段の晩酌と変わらない。 (ん~しょうがない聞くかw)
夏が長すぎて秋は幻かと思うくらい短く直ぐに冬到来。
バタバタするのはしょうがないw
「楽しく過ごそう」 矢島は恵の頭を撫でながら笑顔で呟く。
矢島父、母の前だろうが関係ない。
恵は矢島を抱き締めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます