第20話 季節の変わり目

2人の休日が重なった晴れ曜日。

だが暑いのか寒いのか、春とも梅雨時とも初夏とも言えない季節の変わり目。 晴れているが湿気を含んだ重たい空気に 気持がもやもやしていた矢島。

「あ~! なんかスッキリしたいな〜!」 ジンジャーエールを飲みながらブーブー呟く矢島に 「そうかい、では早速スッキリするか?」 言いながら恵は矢島のズボンに手をかけて脱がせようとする。

「だ・か・ら〜、ヤルばっかりでスッキリはしないんだよ! 恵のバカ! 変態!」

「そんな変態を好きになってくれる矢島も変態だ」(えっ! 俺も変態なの?) イチャツイているとゲリラ豪雨到来。 (恵が雨呼んだ? それとも天罰?)

「なんて顔しているんだ」

「せっかく休みが被っているのにさ〜グダグダ くだらない過ごし方しているからお天気の神様が怒ったのかな〜凄い雨音だ。ゲリラ豪雨?」 「一緒に散歩に行こうか〜? どうだい矢島」 「行くわけ無いだろ、恵のバカ! 窓から見るだけにしようよ····」 何を語る訳でもなく激しく振り付ける雨を眺め 2人は身体を寄せた。 雑音なんて聞こえない純粋な雨音。

「良いBGMだな」 恵は鼻で笑いながら矢島の腰に手を添え抱き寄せる。

「屋内だからそう思えるよ」 だからこんな豪雨の中、外には絶対行くなと思いながら恵の肩を抱きしめた。 平和なゲリラ豪雨の雨音で2人は視線を絡ませささやかな幸せを満喫する。

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