第6話 未明

恵が桂木医院に帰ってきて喜ぶ未明は恵が出社する8時まで相変わらず駐車場掃除に余念がない、頑張る未明。

(石本さんが帰ってくる~何ヵ月ぶりだろ~)ウキウキが止まらなずニヤケる未明。

「石本さんお帰りなさい。待ってました」未明は嬉しすぎて恵に抱きつき体全部使って嬉しさを伝えようとしていた。

「未明君、熱烈歓迎有り難迷惑だな」鼻で笑いながら未明を引き離す。

「冷たいですよ、石本さん! まだ矢島さんの家に居るんですか」

「居るよ。さあ私は仕事だ、患者さん達が待っている」

「石本さん、夕飯行きましょう」

「悪いね、仕事が終わったら直ぐ帰るよ、通勤時間がかかるんだ、すまないね」恵は言い終わると未明に手を振り医院へ向かって歩いて行こうとするが未明はだだっ子になり恵の腕を掴み地団駄を踏み喚いた。

「そんなに矢島さんに会いに帰りたいのかよ! 石本さん帰ったらずっと一緒に居られんでしょ! 週末の僅かな時間を俺が貰っても良いじゃないですか! 飯~行きましょう! 飯が嫌なら飲みにいきましょう! 飲みがダメだったらホテル行きましょう! 俺はあんたとやりたいんだ~好きでしょうがねぇんだよ」未明は本性丸出しで喚いて恵の手を離さない。

「····未明君、私はバカは嫌いだよ。君は何時からそこまでバカになったんだ。私は遅刻してしまう。解ったら離しなさい離さなければボールペンで差すよ」目の前でボールペンをポケットから取り出す。未明は泣く泣く手を離す。

「行っていらっしゃい」

「しょぼくれるんじゃない。慰めないよ」 手も振らずに院内に行ってしまう恵。未明も家に戻ると号泣。

「何で手に入らねぇんだよ~チクショ~!」 「お兄ちゃんうるさい、女々しいな~振り向いて貰えないんだから諦めなよ」

「ウルセェ真琴」真琴にでこぴんを喰らわす未明に真琴もビンタをお返しして久しぶりの喧嘩勃発。

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