西の砦防衛戦

勇者召喚の後、交流の間も無く、戦場に出る事となった。

 舞台はゲームにおける序章、西の砦防衛戦、帝国の魔導将軍率いる帝国軍、そして傀儡にされている軍師の

手によって王が討たれ、開始時点で召喚された勇者が王国を率いる事になる始まりの物語である。

 このステージにおけるゲーム中では帝国軍は一般兵8ユニットに、魔導将軍、近衛兵1ユニットである。

 ゲーム中ではたかだか10ユニットであったが一般兵の一部隊につき100人近衛兵は数は不明だが数十人、魔導将軍の取り巻きも十数人。

だと伝令兵から言われ、目の前の草原に展開された兵の数に圧倒されていた。

 対してこちらの戦力は俺が単独で一人、アリーゼが一人。王国兵が3ユニット、えるめリッヒ王と近衛兵50人で1ユニット、そして軍師と近衛兵100で1ユニットだ。

 序章通りには進ませず、王は護り、出来ればここで魔導将軍を討ちたいが、問題は俺が何ができるのかわからないと言う事だ。

 しかし実はこれはマイナス面だけでなく、プラスにも働く、魔導将軍にも俺が何をできるかわからないと言う事だ。

 持った感じ扱えそうだと思い、量産品の長剣を一本携えてきている。

総戦力や、訓練の事を考えれば、囲まれなければ一般兵に負ける事は無いだろう。

一般兵同士がぶつかり合い、戦闘が始まる。

一般戦技アーツがあちこちで放たれる。

一般兵の一団が俺に向かってきたので、長剣を抜き、応戦する。

 勿論元の生活でこんな剣なんて扱ったこともなく、殺し合いどころか喧嘩すらした事無いのに、まるでゲームや映像作品の達人の様にばっさばっさと切り倒していく。

そして何事もなく一団を壊滅させたところで脳裏に言葉がうかぶ。

剣魔術ソードアーツ・」

呟くと体から何かが抜け出して、空中に透明な剣が生成され、帝国兵の一団に向けて放たれる。

 一団の中心に突き刺さった透明な剣は破裂し地面を砕き、一団を壊滅させる。

魔力で作られた剣と言う事だろう、抜け出たのは魔力なのだろう。

 魔力と言っても設定上の話をするならば体内魔力オド、である。

 問題があるとすれば、帝国兵の中には明らかに死亡している者もいる、半身が吹き飛んでいるものもいる、その光景を見ても、何の動揺もオレに起きていないと言う事だろう。

 戦場に居る時点では有利に働いているのだが、これは一応エルメリッヒ王にも共有しておこう。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る