第14話 突然現れた青い髪の君
「……あれ?私、何時間寝ていたの?」
ノエルが帰って大分時間が経った後、ボサボサな寝癖をつけたアオイが目を覚ました。カーテンで閉ざされた窓を開いて空を見ると、眩しい日差しとそよ風が部屋に入ってきた。まだ頭が回らずボーッとしつつもリビングに行くと、テーブルに置かれた少し冷めた沢山のご飯を見つけた
「たくさんのご飯だ。嬉しい……」
アオイがそう呟くと、ふとテーブルから少し離れた所にある一人用のソファーに一冊の本が置いてあることに気づいて、その本を手に取った
「どうしよう。忘れていったのかな……」
ノエルが昨日読んでいた本とは別の見たことのない新しそうな本を開いた。1頁目をめくり書かれていた文字を読もうとした時、本が勝手にふわふわ
と浮かび手から離れた
「あれ、もう夜?」
浮かぶ本を見た時、窓から見える外と景色を見て首をかしげていると、本がパラパラとページをめくられ、青く長い髪の女の子が突然現れた
「はぁ、疲れた。魔力の気配を消すのも一苦労だとはね」
肩にかかった長い髪を揺らし、ため息混じりに独り言を呟く突然現れた同じ髪色をした女の人を驚き戸惑っていると、視線を感じたその人がフフッと微笑みながら声をかけた
「あら、こんにちは」
アオイと目線が合ってお尻よりも長い髪を揺らしまたフフッと笑うと、その笑う顔を見てアオイが顔を少し背けた
「もうこんばんわの時間です……たぶん」
ちらりと女の人の後ろにある大きな窓の方を見てアオイが返事をすると、女の人も少し振り向き、外の様子を見て微笑んだ
「そうだね。今はこんばんわの時間だね」
女の人も返事をすると、アオイの横を通りすぎつつリビングの中を見渡すように歩きだした。
「あなた、名前は?どうしてこの家にいるの?」
「名前は……。アオイって言われたから、たぶんそういう名前です。家にいるのはえっと、分かんない……」
話を聞きながら、リビングを見ていると、テーブルに置かれたおかずを見つけ、クンクンと匂いをかいだ
「変わらないねぇ」
そう呟いていると後を追いかけてきたアオイが後ろに立って不安そうに様子を見ていると、気づいた
女性がアオイの右手を取り、手の甲にそっと顔を近づけた
「えっ、えっと、私、あの……」
突然の出来事にあわてふためくアオイの様子を楽しそうにクスクスと笑うと、テーブルの側にある椅子に座り、置かれていたおかずに手を伸ばした
「このまま住んでもいいけれど、私が来たことは誰にも内緒ね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます