第269話 終焉(3)

「俺は、うそなんかついていない! 佐奈は俺の婚約者で俺の物だ! あいつの左の腕の薬指を見てくれー! あれは! 俺が佐奈に婚約指輪としてプレゼントしたもだ!」と、俺は吠え、叫び。


「こいつの! 佐奈の両親を呼んでくれ! 今直ぐに! そうすれば! 俺がこいつの婚約者だと、ちゃんと証明してくれるからー!」


 俺は更に叫び、説明、嘆願をしたよ。お巡りさん達も含めて、俺の周りに居る人達に。


「ああ、そうか、そうか」


「分かった。分った」


「あんたが言っている事は本当なのだろう」


 すると俺に手錠をかけ。俺のことを連行……。警察署へと連れていくために。俺の身体を強引に起こしたお巡りさん達の口からこんな台詞が漏れ。


「でもね、貴方? いくらこの人の婚約者だからと言って暴漢を働いたら駄目だよ……。これが仮に夫婦だとしても、貴方のしている事はドメスティックバイオレンスと、何ら変わりがないから警察署へと来て貰わないと困るよ」と。


 お巡りさん達の中の一人が、にへらと笑いながら俺に告げると。


「さぁ、来い!」


「いくぞ!」と、俺に荒々しく告げ。俺の身体を強引に引き始めだした。



 ◇◇◇


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