第139話 俺の住むマンションには(4)

「…………」


 でも冴子はこの通りで、一向に顔を上げ、俺へと笑顔を振り撒いてはくれない。


 だから俺は更に自身の顔色を変えつつ。


「冴子! 冴子……。本当にどうしたんだよ……。頼むから返事をしてくれ……。お願いだ……」と。


 俺は急に様子が可笑しくなった冴子……。


 そう、もしかすると?


 俺の部屋へとストーカーの如く現れ泣くお化けさま……。


 俺の学生時代の親友の松原の話だと。


 俺の精神は状況不安定だから、ちょっとした霊魂……。


 そう、ここ日生町は漁港と言うよりは、古い港町……。


 海路での物資輸送が盛んな時代や、大陸への遣唐使時代などは、大きな港の基地の一つで、宿場町として賑わった。


 古き時代にも関わらず、家が千件以上もあった古い、歴史ある瀬戸内海の要所の一つだったはずだから。


 昔、無念の死をした人も沢山いるだろうから、もしかすると? その辺りから俺が幽霊ストーカーを連れて帰ったのではないか? と。


 松原が考える人になりながら呻り、俺に告げてきた。


 だから今! もしかする? と。


 洋画の恐怖映画の一つ、エク〇シストだったかな?


 地縛霊、悪霊が、子供にとりつく話は?


 俺自身も少し忘れてしまったが。


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