第137話 俺の住むマンションには(3)
「えぇー! 嘘ー? 信じられないー!」
冴子は俺の話しを聞き、絶叫を上げれば。
「新作、マジで女のお化けなの?」と。
今度は鼻息荒く尋ねてくるから。
俺も「うん」と頷き、冴子に言葉を返せば。
「新作の部屋に出るお化けって、まさか? あんたが寝ている横に添い寝とかして、脅かすタイプの奴?」
冴子が家に出るお化けさまに畏怖することもなく、恐ろしい形相で、鼻息荒く尋ねてくるから。
俺は何だか、自分自身がお化けと浮気、不倫をしている気分に陥りながら。
冴子に対してビクビクと怯えつつ、「違う」と、自身の首を振り、冴子へと言葉を返せば。
「じゃ、新作の部屋に出るお化けは、ごく一般的な出かたで。天井から新作へとダイブー! 覆い被さり、抱き付き、精気を吸い、食らうタイプの奴かな?」と。
冴子は、二昔前の怪談映画の話……。
そう、昭和と言う時代の怪談話に出演する、お化け、なヒロイン達が主人公達にとりついて、精気を吸い、食らい。
あの世へと誘うような、懐かしい話を本気で、こいつは憤怒しながら俺に告げ、尋ねてくるから。
俺は「いいや、そんなタイプのお化けではない」と、冴子に告げると。
「冴子、お前?」と声をかけ。
「異性の生気を吸うようなお化けって本当にいるのか?」
俺は冴子に恐れ慄くことは辞めて、今度は苦笑を浮かべながら尋ねたよ。
昭和の時代の怪談シネマのようなお化けヒロインって本当にいるのか? と。
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