第133話 新しい彼女の提案(6)

「うち、新作の部屋に好い人が居るのかな? と一瞬思ってしまったけれど。違うから良かった」と。


 冴子も俺のように、にへらと笑いつつ告げてきたから。


「いや、それはない、ない」と。


 俺は自身の顔の前で手を振り、ジェスチャーを加えながら冴子へと説明。


「ああ、その件ならば大丈夫だよ。新作……。うちも早く子供が欲しいから仕込んでもらえると助かるかな?」


 冴子は、こんな言葉をスラリ、シラリと、俺に返してきたけれど。


 こいつは、本当は照れ恥かしくて仕方がないのだな? と、俺は直ぐに思った。


 だって冴子の顔は真っ赤……。


 本当に照れ恥かしくて仕方がない様子でね、自身の目や腕、足の方も本当に落ち着きなく、キョロキョロ、ソワソワ……。


 俺の膝の上に置いていた冴子の華奢な手も、落ち着きなく、ソワソワ、サワサワと、動かし、始めるから。


 俺はくすぐったいと思うのと?


 冴子! お前! そこは違う! 俺の太ももではない! 俺の大事なところだ!


 だから余り刺激をするな! と。


 俺が冴子に悪態をつきたくなるほど、落ち着きのないこいつの容姿を見詰めつつ。


「そ、そうか?」


 俺も冴子に一応は、夜の確認をとってみると。


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