第119話 俺の場合は(23)

『じゃ、新作! あんたに聞くけどさ? うちが部長と長く不倫をしていて、SEXをしている最中……。あのクソ男に色々な愛撫をおこなっている写真や動画を撮られていて。これをネタに脅されているのだけれど。どうしたら良いだろう? と。うちが新作に写真や動画を魅せながら尋ねると。あんたは多分? 最初は警察に行け、だと思う?』と告げてきたから。


 俺は『うん』と頷いたんだよね。


 するとさ、冴子は>


『でッ、次に新作がうちに尋ねてくるのは? 何でこんな動画を男に撮らせたんだと。うちに対して凄く冷たい目……。もうそれこそ? うちがその場で舌を噛んで死にたくなるような目と口調で尋ねてくると思う? だからうちは知らない。解らない。いつの間にか、うちも撮られていたから知らないと。新作に言葉を返すと思う』、


『するとさ、あんたは、言い訳を始めだしたうちに対して、更に冷めた目、顔、口でね。『お前、解らないじゃないだろう? これだけの写真と動画を撮られているんだ。シャッター音や録画音がするから普通分るし……と、言うか? 冴子、お前? この男に対して本当に夢中で好きだったんだな? と』、


『冴子、お前。本当にこの男と別れていたのか? もしかして俺とこの男を両天秤にかけ、パトロンを続けていたんじゃないのか、お前は……?』、


『まあ、俺はどちらでも良いけどさ。まあ、冴子警察にだけは行けよ。そしてお巡りさんに相談をしろよ、と。あんたはうちのことを本当に針を刺すような冷たい目で見つつ罵り、嘲笑いをしてきてさ……』と。


 冴子が俺に告げてきたところで、こいつは下を向いて。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る