第117話 俺の場合は(21)
だって俺の過去……。
ここまでの俺の説明を聞けば誰だって。
俺が元婚約者の佐奈から結婚詐欺に遭い、騙され続け。
俺が余りにも佐奈に対して真剣だから二人……。
そう、佐奈と部長が年下の俺のことを揶揄して面白がっていたように聞こえるのだが。
実は違った。
俺の勘違いと言う奴だったのだ。
そう、先ほど俺が冴子に呟いた通りだよ。
俺の大事だった佐奈も、冴子と一緒でさ、会社の上司──!
それも冴子と一緒で部長に脅されていたらしいのだ。
そう、あのクソ部長……。
元自分の彼女だった佐奈に、自分との不倫していた頃の卑猥な写真や動画を、俺に見せるぞ! と脅迫──!
佐奈に俺との結婚前にラスト一回だけでいいから会って、やらせてくれとL〇NEから写真や動画と共に脅迫文が送られてきたらしいいのだ。
だから俺はそのことを冴子に説明をするために、自分が男泣きをしていようがお構いなしに、自身の顔を上げた!
そして冴子を見詰めると。
こいつはやはり、何故か悲痛な表情……。
もう、いつ泣いても可笑しくはない顔をしているけれど。
俺は気にしないで、自身の口を開けようと思う?
どうしても冴子に、この後の話しを俺は聞いてもらいたいのだ。
先ほどの冴子ではないけれど。
俺の愚痴や嘆き、悲しみをね。
俺は何故か、冴子に聞いてもらわないと。
先ほどの冴子ではないが?
俺も何故か、これ以上前に進み、新たに歩んでいけない気がするのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます