第52話 問いかけ(1)

「お姉さま?」


「……ん? 何、お姉さん?」


「お姉さんさぁ、俺にいつものように下ネタ、エッチィな話しをしたり、尋ねたりしてくるけれど。それって不味くはないの?」


「えっ、うち?」


「うん」と、俺が頷くと。


 山下のお姉さまは、少し悩んだ顔をしながら。


「お兄さんは、こう言った話しは、お固い人だから、セクハラみたいで嫌い?」と。


 俺に彼女は、にへらと笑いながら尋ねてきた。


「うぅん、別に嫌いじゃないよ、俺は……。好き嫌いで言えば、俺はこう言った下ネタ、スケベな話は大好き、大好物だから。俺は全然気にはしないのだけれど。たださ?」


「うん」


「俺は独り身だから、お姉さんのような美しい女性とこう言った下ネタ話しをするのは大変に嬉しいけれど。ただお姉さんがさ、自身の左の手の指に指輪をはめているから」と。


 俺は頷いたお姉さんへと告げれば。


「それってお姉さん、婚約指輪だろう?」と尋ね。


「……俺のような赤の他人に対して、結婚前のお姉さんが、エッチな話し……。もう、それこそ? 俺が勘違いをして、山下さんに対して好意を持ってしまうような言葉や話しをして。その婚約指輪をくれた人が、山下さんのことを怒らないのかな? と、思ってしまったのだけれど」と。

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