第42話 常連のお客様からの色々な問いかけ(5)

「御姉さん、ありがとうね」と。


 俺は毎度、常連の御姉さんが家の店へと仕事の合間……。


 う~ん、何でも、御姉さんは、地方の小さな食品製造会社の営業をしているらしい。


 だから移動の合間に、トイレと休憩を兼ねて、この道の駅へと立ち寄るらいいのだが。


 俺が以前勤めていたのも食品関係の製造、卸、問屋業の営業をしていたから。


『お互いよく似た仕事だね』と。


 俺は最初、御姉さまに、『何の、仕事をしているの?』と、自身の首を傾げた時に。


 そのように教えてもらった。


 だから『そうなんだ?』と。


『俺も今の、ソフトワッフルのキッチンカーでの実演販売を始める前は、御姉さんとよく似た業種の営業をしていた』と説明をした。


『えぇっ! 嘘?』、


 そして『そうなの?』と、御姉さんは俺の話しを聞き、驚愕しながら言葉を返してきたと思う?


 そんな彼女に俺は満身の笑みを浮かべつつ。


『ああ』と、会社名を告げ。


『そうなんだ?」と。


 驚きを見せる彼女に『うん』と頷いたかな?


 その辺りは、俺自身も、しっかりとは覚えていないからごめんよと。


 俺がみなさんへと謝罪をして、話しを元に戻すけれど。


 俺が御姉さんへと言葉返せば。


『お兄さんは、重度の女性恐怖症と女性アレルギーのために、営業職が出来ないから会社を辞めたんだ?』と。


 御姉さんは俺に尋ね、終えれば。


『……あの、会社ならば、倉庫の在庫管理とかの、業務に変わる事とか出来なかったの?』とも、尋ねてきたから。


『俺の重度の女性恐怖症と女性アレルギーはね。会社を辞めて、この仕事についてから、急に発病し始めたのだよ。だから俺が会社を辞めたのは別の理由でね』と。


 御姉さんへと説明をすれば。


『そうなんだ?』


『うん』と俺が頷くと。


『えっ! じゃ、会社を辞めた理由は何?』と。


『あの、会社だったら。今の自営業をするよりも待遇が良かったんじゃないの?』と、尋ねてくるから。


『まあ、ねえ』と。


 俺が、にへらと笑い言葉を返せば。


『お兄さん、もしかして、上司の人から、パワハラに遭ったりとかして。上司の人と揉めて、会社を辞めたの?』


 御姉さんは、あの時には、俺の顔色を窺いつつ尋ねてきた。


 すると俺もお姉さんの問いかけに対して、彼女の期待通り、自身の顔色を変え。


『まあ、人間生きていたら色々あるじゃない?』、


『わっ、ははは』と。


 俺は自身の頭に手を当てつつ、笑い誤魔化した記憶があるよ。


 でッ、それ以降御姉さんは、俺の顔色が変わったのを察してくれて。


 俺が何故会社を辞めたのかは、尋ねてこなくはなったのだが。


 今度は他のことを妙に尋ねてくるから。


 実は俺も困っている。



 ◇◇◇



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