第41話 常連のお客様からの色々な問いかけ(4)
この店の店主の俺が立ち──。
販売をするよりも、余ほど売れる。
そう、老若男女問わず、購入をしてくれるのだ。
だから、常連の御姉さんが、俺のお店前で立ち、仕事の油を売ろうが、俺は嫌な顔等しない、どころか?
「御姉さん、飲み物いるかな?」
俺は微笑みながら尋ね。
「うん、欲しいけれど。お兄さん良いの?」と問われ。
「うん、いいよ。いいよ。遠慮しないで」と。
俺は常連の御姉さんへと満身の笑み──。
そう、彼女の御機嫌窺いをするために。
俺のように、実演販売……。
ホットコーヒーやコーヒー豆を挽いては販売をしているお兄さんへと、慌てて視線を向け。
「コーヒーのお兄さん、悪いのだけれど。ホットコーヒー二つお願い」と。
俺は声を大にしながら叫び嘆願──。
俺の代わりに販売をしてくれる御姉さん労うために、熱いホットコーヒーの注文! 出前をとったり。
「御姉さん、少しお店を見ていてくれるかな? 俺、買い物言ってくるから」と。
常連の御姉さんにお店は任せ。
この岡山県は備前市、日生町にある五味の市の、周辺にあるカキオコのお店へと。
カキオコと呼ばれる、牡蠣のむき身が沢山入ったお好み焼きを購入しにいき。
「マスター、カキオコを二枚頂戴。お持ち帰りでね」と。
俺が注文、嘆願をすれば。
「山下さん、お店まで持っていってあげるよ」と。
お店のマスターが快く言ってくれるから。
「じゃ、お願いしようかな」、
「頼むよ、マスター」と。
俺は微笑みながら告げ、終えれば。
お店を出て、自身のキッチンカーへと向かって歩き始める。
すると彼女?
そう、俺の代わりに見せ番をしてくれている御姉さまが。
俺の容姿に気がつき、慌てて手を振り始めるから。
俺は(何事が起きた?)と思いながら。
自身のお店へと駆け足で戻る。
「お兄さん、何処に行っていたの?」と。
自身の顔色を変えながら諫めるように尋ねてきたから。
「ごめん、ごめん」
御姉さんへと謝罪……。
「どうしたの?」と、彼女に尋ねてみると。
「この、お客さんがね。自身の欲しいワッフルが売れ切れてそもぅたから。焼いてもらおうと思って、お兄さんの事を待とん、たんよ」と。
御姉さんは、お客さんの代わりに、自身の頬を膨らませ、プンプンとしながら、気持ちを代弁してきたから。
「本当にすいません。申し訳ないです」と。
若い女性のお客さまだから。
俺はできるだけ、お客さまの顔をみないようにしつつ、頭を下げ、謝罪……。
そしてお客さまへのお詫びが終わると、慌てて車内へと入り。
ワッフル用の電気プレートの上へと俺は生地を乗せ、焼き始めるのだ。
『御姉さん、お客さまの注文のワッフルは何?』と。
俺が彼女へと問いかけようと試みる前に。
「お兄さん、お客さんの注文はイチゴだからね」と。
「お客さん、ちょっと待ってね。直ぐに焼けるから。本当にごめんね」と。
俺が彼女に尋ねよう。
そしてお客さまに、俺が詫びを入れないといけない、と思うことを彼女は、本当に気の利く人だから。
俺が尋ねよう、詫びようと思うことを瞬時に告げることができる本当に好い女性なのだよ。
そう、まるで俺の元カノ、婚約者だったアイツのようにね。
特に俺自身もアイツと別れてまだ余り期間が経っていない。
だから御姉さんのことを『佐奈』と。
俺は間違えて呼びそうなぐらい性格がよく似ているのだ。
この御姉さまはね。
まあ、容姿と声色の方は似てはいないけれど。
俺と別れたあいつも、大変に気の利く女性だった気がするから。
俺は御姉さまに。
「お兄さん、早く、焼く! お客さまがお待ち、なのだから! 早く! 早く!」と。
彼女に甲高い声音で急かされても俺は、悪い気はしない、どころか?
俺はすがすがしいのと、自身の気持ちが大変に安らぎ、落ち着く気がする。
だから御姉さまに俺は不満を言われようが。
「あっ、ははは。ごめんね」と。
「本当に申し訳ない。すいません」と。
俺は御姉さまやお客さまに対して、嬉しそうに微笑みつつ、ソフトワッフルを焼き続けるのだった。
◇◇◇
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