第11話 両親が駄目だから友人に(4)

「じゃ、あれか? 新作が何処かで、地縛霊を連れて家に帰ったって事か?」


「そうなのか、松原?」


 秀樹が、俺が何処かで地縛霊……。


 そう、お化けって奴を連れて帰ったのか? と。


 秀樹は真剣な顔!


 まるで子供の怪談話みたいなことを呟くから。


 俺が松原へと尋ねると。


「う~ん、俺も、秀樹の言う通りで、新作が何処からか、地縛霊を背負って部屋に戻ったのかな? と思ったのだけれど。新作の話しを聞くと。女のお化けは新作の枕元に立ったり、乗っかってきたり。部屋の天井のあちらこちらからラップ音を出す悪戯、嫌がらせをする訳ではなく。玄関の中、外で啜り泣きや嗚咽だろう? そして廊下に階段……。一階のフロアーにマンションの外の道路も走り逃げる姿も新作は、自身の両目で捉えているって言うからさ。俺自身も良く解らない」と。


 松原は苦笑をしながら、俺達に説明をしてくれた。


「……でもな? やっぱり、この部屋は、以前と違って可笑しい……。何か変と言うか? 誰かが、何処からか、俺達の様子を窺っていると言うか? 監視しているような気がする……」


 松原はまた、部屋中を満遍なく見渡しつつ、観察しながら俺達に再度説明をしてくれた。


 だから俺や直樹、秀樹の三人も。


 松原に釣られるように、部屋中や天井四隅を見詰めつつ。


「そうか?」


「そうなんだ?」


「じゃ、なんだろうな?」と呟いた。


 でッ、最後に松原の口から。


「俺にも解らん」と。


 あいつは、にへらと笑いつつ呟く。



 ◇◇◇



(お願い)


 レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る