第10話 両親が駄目だから友人に(3)

「松原、どうしたんだ? お前、新作の部屋に来てから、妙に顔色が悪いぞ?」


 秀樹が松原へと問い始めるから。


「俺も先程から思っていたよ。松原の様子が可笑しいって、秀樹のように……。一体どうしたんだ、松原?」と。


 秀樹は苦笑を浮かべていたが。


 直樹は怪訝な表情で松原へと尋ねるから。


「もしかしてお化けの件か?」と俺が松原へと尋ね。


「松原、お前! 学生時代から霊感が妙に強い。働くって、俺達に言っていたよな?」


 俺が苦笑いを浮かべつつ、松原へと尋ねると。


「それは可笑しいぞ、松原……。お前、新作が、このマンションを借りる時に一緒についてきてくれと頼まれて。この部屋の中を隅々まで歩き回って、変な感じ。違和感は別に無いと。俺達に言っていたよな?」


 俺が松原に尋ねようとしたことを。


 先に直樹が松原へと尋ねた。


「ああ、直樹の言う通りで、俺は新作が、この部屋を借りか、借りないかを決める時に付き添いをしたけれど。その時には、この嫌な感じと言うか? 嫌悪や寒気は別に感じなかったから。俺は新作に、この部屋ならオッケーだぞ、と告げ。勧めたけれど。久し振りに新作の部屋にきたら何とも不快な感じ……。そう、誰かが俺達を見ていると言うか? 監視しているような気がする……」


 松原は直樹の問いかけに対して、自身の頭や瞳を動かし、部屋中を観察しながら言葉を返した。

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