私は【ちんちん】が冬の季語であると考える

眠ゐ犬

私は【ちんちん】が冬の季語であると考える

 男性だったら誰しもが。

 女性であったとしても3割は考えた事があるだろう。

 春夏秋冬、ちんちんは一体どの季節の季語なのだろうかと。

 私はそんな、色んな意味で擦り倒されているであろう“ちんちんの季節”について真剣に考えていこうと思っている。

 だって今も世界の何処かでちんちんは擦り倒されているのだろうから。


 先ずはちんちんに関しての知識からおさらいしていこう。

 ちんちんとは男性の中心に存在するシンボルだ。

 待て、その理論はおかしい、と思う者がいるだろうか。

 確かに個人差はあるものの、人体の中心は鳩尾から丹田の辺りだろう。

 人知を超えたモデル体型でもなければ、ちんちんが人体の中心となる事は稀だろう。

 だからちんちんは男性の中心ではない。

 そう思われても仕方はないが、しかしそれは正しくもあり、間違いでもある。


 私はこう考える。


 ちんちんは男性にとって第二の脳だ。

 だって先っちょが脳みたいな形をしているじゃないか。


 さらにこうも考える。


 ちんちんの赴くままに行動をする者だって、数多く存在している。

 それは最早脳と言って過言では無いだろう。


 ちんちんは男性にとって第二の脳だ。

 だって先っちょが脳みたいな形をしているのだから。

 右頭と左頭だ。

 ちんちんにも真ん中で線を引いて、右頭と左頭が存在しているのだ。


 話が逸れてしまったが、私の考えるちんちんとは。

 男性にとって“夢”であり“希望”の詰まった聖遺物である。

 猥褻物と言っても過言ではない。


 さて、ちんちんの基礎知識をおさらいしたところで、本題である。

 “ちんちん”は一体どの季節を表す言葉なのか。

 この難しい話題に、今回私は切り込んでいく。


 春のちんちんを考えよう。

 春のちんちんといえば、想像するのは春風に揺れるちんちんだろうか。

 寒い冬から春へと季節が変わり、暖かなそよ風が皮を擽る。

 冬を乗り越えたエネルギッシュなちんちんの姿。

 芽生えたばかりの新緑の瑞々しさは、ちんちんに通じるところもあるだろう。


 これはもう、ちんちんは春の季語で決まりだろうか?

 いや、そう決めつけるのはあまりにも時期尚早だろう。

 そもそも春風にちんちんを揺らしている時点で、犯罪のかほりがしてくる。

 プライベートビーチや人の立ち入れない広大な私有地か、はたまた人の背丈よりも高い塀のある豪邸であれば可能かもしれないが。

 それではあまりにも場面を選ぶ。


 春のちんちんってそんなに特徴的でもないし。


 故に私は、ちんちんが春の季語ではないと考える。

 ちんちんは桜の木に見えなくもないが、それは少しばかり無理やりに思えてしまう。


 夏のちんちんを考えよう。

 日本の夏は湿気が多く、じめじめしていて暑い。

 当然にパンツの中という抑圧された空間にじっと佇むちんちんも、夏の暑さの煽りを受けてしまう。

 じっとりと掻いた汗はちんちんを蒸らして、ちんちんが痒くなる。

 尋常じゃなく痒くなる。

 ここで一句。


 皮蒸れて 掻いたちんちん 爪臭し


 これは中々。

 夏の暑い日に蒸れるちんちんの情景が浮かんでくる様だ。

 蒸れたちんちんって、何であんなに臭いんだろうか。

 これはもう、ちんちんは夏の季語で間違いないのではなかろうか。


 いや、待ってほしい。

 夏の暑さで蒸れて痒くなるちんちんは、主にたまたまの方だ。

 勿論たまたまもちんちんの一部だ。

 しかし“ちんちん”と聞いて“たまたま”の方を想像する人は少数派ではなかろうか。


 故に私は、ちんちんが夏の季語であるという説を一旦保留しておく。


 次は秋のちんちんだが。

 秋のちんちんと言えば、やはり思い浮かぶのは松茸だろうか。

 短いモノも長いモノも。

 太いモノも細いモノもあって。

 まるで十人十色のちんちんの様であり、形も殆どちんちんと言っても過言ではない。

 これはちんちんが秋の季語である証明だろう。


 いや、一度立ち止まって考えてみよう。

 確かにちんちんと松茸はよく似ている。

 だから松茸を擬ちん化すれば、ちんちんは秋の季語として成り立つかもしれない。

 しかし、それはあくまでも松茸の力であって、自力でちんちんが勝ち取った季語ではないのだ。

 主演ちんちんである筈のちんちんが、助演ちんちんである筈の松茸に食われる訳にはいかない。

 ちんちんはデリケートで、歯が当たっただけでも痛んでしまうのだから。


 残念ながらちんちんは、秋の季語ではないと断定せざるを得ない。


 それでは最後は冬のちんちんだが。

 冬は外に出てちんちんを晒していたならば、風邪を引いてしまう厳しい季節だ。

 ちんちんの季語を考える中で、ちんちんを晒せない時点で大変な不利を被っている冬のちんちん。

 しかしながら、冬のちんちんの季語としてのポテンシャルは、実は高い。


 冬のちんちんと言えば、やはり寒さできゅぅっと縮こまったちんちんだろう。

 火を通した時の牡蠣の如く小さくなったちんちんは、最早冬の風物詩と言っても良い。

 それだけでなく、冬は体が冷えるのでトイレに行く機会も増加し、ちんちんの稼働率も四季の中で最も高いだろう。


 もしも有名なチンフルエンサーが、今年もちんちんが縮こまる季節がやってきたと呟いたなら。

 男性なら誰しもが冬の訪れを実感する事だろう。


 以上の理由から私はちんちんが冬の季語ではないかと考える。


 深夜2時 縮むちんちん 皮被り


 おあとがよろしいようで。

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