女子の中で走るのいちばん速い、わたし

わたしは女子の中では、走るのいちばん速い。

森さんは、ほかのことは何でも良くできるのに、走るのだけは、特にそうでもない。


だから、今、クラスで、いちばん走るの速い男子は池脇くん。

女子で速いのは、わたし。


前も、池脇くんは走るの好きだから、わたしの走ってるのをよく見てくれていた。


今も、わたしの走ってるのをよく見てくれているけど、今、池脇くんに見つめられるとドキドキしてしまう。

池脇くんに走ってるとこ見られて嬉しいのは、前といっしょなんだけど...


「あやなっち!走るの、なぜか前より速くなってきたなーっ!」

って池脇くんに言われた。


「えっ?...ほんと?」


「うんっ!あやなっちに抜かれそう!」


「いやいや、池脇くんをわたし抜くなんて...そんなわけないでしょう...」


池脇くんには、いつまでもいちばん速く走っててほしいから、わたしは池脇くんの次で良い。2番目で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る