第10話 タカコのママ友トラブル

 タカコの息子トシユキは暴れん坊でワガママで意地悪な問題児だった。


 学校ではやりたい放題だったが、私立の小学校だったので高額な寄付金を払い、学校からはクレームを言いにくい状況にしていた。


 トシユキの同級生のママ達からはそれを追求されないように、タカコはママ友グループのボスにのし上がり、圧力で、みんなを黙らせていた。


 先日、ある地味な一匹狼のタイト君のママから、タカコはそれをみんなの前で暴露され、恥をかかされた。


「トシユキ君はひどい問題児です。やめさせて下さい。みんな迷惑しています。

 クラスの子供達がみんな訴えています」


「はあ、子供のいうことを信じているんですか?

 タイト君ママはママ友いないですよね?あなた以外の大人で誰か言ってますか?

 子供どうしの関係に口出しして過保護じゃない?うちは何か問題があったら自分の力でなんとかするようにやらせています。自主性を重んじているので」


「大人が口出しせざるを得ない程、トシユキ君は問題児です。分かってるでしょ!!」


「そんなに怒るとしわがふえますよ。ほらここできてる」


 タカコはタイト君ママの口元の小じわを指さした。


「トシユキ君ママは、時間と経費がかかっていますね。

 メンテナンス費と衣装代それと選ぶ時間、全て無駄と思われます。時間とお金をかけた結果がそれですか?私の感想ですが、美しくないですね。わたしと同じくらいですね。お疲れ様です。

 自分のことをきれいだと思っているんですか?

 眼科に行った方が良いと思います。

 私にはこぎれいにしているおばさんに見えます。

 目を大きく見せるためのメイクだと思いますが、おばさんが目を大きく見せて何の意味があるんですか?かわいく見せる必要無いですよね?おばさんなんですから。そうれともそうやって威圧するためですか?」


 タカコは頭にきて、なんでもいいからタイト君ママをギャフンと言わせたくてたまらなくなった。


「タイト君のうちは3階ですよね、うちは最上階だから。うちがうらやましくてそういう風に言うのかしら?」


「旦那さんの稼いだお金で、金持ちマウントしてるけど。あなた自身に何の力があるんですか?」


「ほんとになんなのよ、うちの子にクレーム入れてくるし。証拠もないのに」


「証拠?こないだ公園でのトシユキ君の様子をビデオで撮らせて頂きました。

 トシユキ君のおばあさまや校長先生にも見てもらいました」


「信じられない、そんなことするなんて」


「これだけだと思います?

 トシユキ君ママ、SNSの裏アカウント持ってますよね?

 この悪女アゲハってあなたですよね?

 不特定多数の男性と関係あるんですよね?

 SNSの匂わせ画像、いつも男性が帰られたら、後ろ姿を写真に収めているんですよね?その後すぐその写真をSNSにアップして、ほんとにまめですよね?

 だいたいいつも午後1時くらい?」


「トシユキ君のお父様は有名人ですよね?私が週刊誌に持っていかないと思います?」


「分かった、トシユキのことは何とかするから、それだけはやめて!!」


 それを見ていた子分のママ友は関わりたくないと思ったのか、タカコはママ友グループからは外され無視されるようになった。


 学校からもクレームの連絡が入り、同居の義母からも毎日イヤミを言われるようになった。


「やっぱり、嫁の育ちが悪いからトシユキも似たのかしら」

「トシユキまた赤点とってたわよ、このままだとおちこぼれるわよ」


 タカコはストレスがたまりにたまって、今すぐマルコスに会って、話を聞いてもらいたいし、やりまくりたくてたまらなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る