第46話 愛し合ってから仲良く夕食作りをする2人

 始めの方に性的表現が含まれてますので、苦手な方は少し下にスクロールしてから続きをお読み下さいm(*_ _)m


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 ──午後4時過ぎ。


 アイミスワンダーランドでの初デートを山崎に邪魔され、意気消沈しながら葵と未来は自宅へと帰宅した。


「「……………」」


 リビングにあるソファーに座った2人は特に何かを話すこともなく無言だった。

 と言うよりもソファーに座って以降、葵の太ももの上に座った未来が葵の唇に貪りついているせいでだが。

 どうも彼女は山崎に初デートを台無しにされたことの埋め合わせとして、婚約者である葵に甘えることにしたようである。


「んちゅ……れろっ…♡」


 泣き腫らした顔で葵の唇にキスの雨を降らせる未来。

 それを拒むこともなく受け入れる葵。

 そんな2人のキスは次第にディープキスへと移行していき、より激しく互いの唇を貪り始める。

 その2人には、先程まで意気消沈していた面影は既にない。


 それから暫くして、未来はようやく葵の唇から口を離し、葵の目を見つめながら魅惑な声色で言う。

 葵のズボンのチャックに手を掛けながら。


「ねぇ葵? さっきまでの嫌なことの全てを貴方のコレで忘れさせて欲しいの♡

 もう私のココはコレを受け入れる準備が出来てるから♡

 だからもう、入れちゃう…わね…あんっ♡」


 そう言いつつ自らのショーツを脱ぎ捨てた彼女は、葵のズボンから取り出したナニに自らのアレを宛てがい、躊躇なく一気に腰を下ろした。


「はぁ…奥まで貴方のが入ってるのを感じるわ♡

 でももっと感じたいから、動くわね…んあっ♡」


 嫌なこと全部を快感で上書きしようと腰をゆっくりと上下し始める未来。

 そこまでされたとこで、ようやく葵が口を開く。


「ああ、嫌なこと全部忘れさせてあげるよ」


 そう言った葵の背中に腕を回しながら抱きつく未来。

 そして2人はどちらともなく唇を合わせ、押し寄せる快楽に身を委ねる。

 全ては山崎という屑男の記憶を忘れたいが為だけの為に…。






 それから約2時間後の午後6時過ぎ。

 散々に肌を重ねあった後で入浴を済ませた2人は現在、キッチンにて仲良く並んで夕食作りを始めていた。


「それじゃ未来はこの人参の皮をピーラーで剥いてから一口大に切っといてくれ。

 俺はこっちのジャガイモの皮を剥いてから切っとくから。

 そして切り終わったらこのボールの中にいれておいて」


 まだまだ包丁を扱わせることに不安はあるものの、俺が見守っていれば大丈夫だろう、という判断から未来にそう指示を出す。


「分かったわ!」


 俺の指示に対してそう答えた未来は、ピーラーで皮を剥いてから人参をまな板の上に置き、包丁を使い慎重な手つきで切っていく。

 あ、彼女には防刃手袋を事前に着用させている。

 料理初心者の未来にケガをして欲しくないからね。


 それを横目に見ながらジャガイモを切り終えてボールの中に入れた俺は、玉ねぎも切ってからボールの中に入れる。

 次に俺は出掛ける前に冷凍庫から出しておいた鶏もも肉をパックから取り出し、まな板の上に乗せてから一口大にカットしていき、同じくボールの中へと入れておく。

 そこまでの作業をし終えた所で、人参を切り終えた未来が聞いてくる。


「葵の指示通りに人参は切り終えたわよ。

 だから次に私は何をすればいいの?」


「お、切り終えたか。

 それならシンク下の棚から鍋を取り出し、それをIHコンロの上にセットしてから加熱ボタンを押しておいて。

 んである程度鍋が温まったらサラダ油を適量とバターを一欠片と生姜とニンニクを入れ、バターが溶けた頃合で鶏もも肉を加えて焼き色が付くまでヘラを使って炒めておいて欲しい」


「分かったわ♪

 ふんふふ~ん♪」


 鼻歌を歌いながら楽しそうに俺の指示通りにテキパキとした動きで準備を始める未来。

 それを見つつ俺は必要分だけの水と”俺オリジナルブレンド”の特製カレー粉とトマトピューレと中濃ソースを準備した。


「葵~! 鶏もも肉に焼き色が付いてきたわよ~!」


 そう俺に声を掛けてきた未来の側に寄り、次の指示を出す。


「そしたら次は玉ねぎ・人参・ジャガイモを加え、火が軽く通るまで炒めてくれ。

 あ、焦がさないように注意しながらね!」


「は~い♪」


 元気よく返事をした彼女は次々と指示した食材を鍋に投入していき、焦がさないように手早く炒めていく。

 それから少しして投入した食材に軽く火が通ったと判断した俺は未来に次の指示を出す。


「うん、ある程度火が通ったようだね。

 だから次に水を加えてみようか」


「了解っ!」


「加えたら蓋をしてから中火にし、約20分間煮ていこうか」


「うん! でもその間、暇になっちゃうわね」


「そうだね~。

 だからその間にサラダを作っちゃおうか」


 そう言った俺は冷蔵庫を開け、サラダに必要そうな野菜(レタス・きゅうり・プチトマト)と”葵お手製ドレッシング”を取り出していく。

 それを横にいた未来が受け取り、カウンターの上に並べて置いていく。


「じゃあ、未来はこのレタスを手でちぎってからこのボール皿に入れていって。

 その間に俺はきゅうりとプチトマトを一口大に切っとくから」


「は~い!

 なんかちぎるのって、楽しいわね♪」


 そう言って楽しそうにレタスをちぎってボール皿に入れていく未来。

 だけどね未来……それはちょっと細かくちぎり過ぎだと俺は思うよ( ´ㅁ` ; )。

 なんて呆れつつ手早くきゅうりとプチトマトを一口大に切り、レタスが入ったボール皿へと入れていく。

 そこへドレッシングを投入してから混ぜ合わせる俺……ではなく未来(やろうとしたら箸を奪い取られた為)。

 そして付け合せのサラダが完成したのだが、約10分くらいの時間が余ってしまった。


「まだ10分くらい余しちゃってるよ…」


「じゃあ、その間はどうするの?」


「う~ん…どうしようって感じだね」


 思ったよりも時間を余してしまい、どうしようかと悩む俺たち。

 だけどここで何かを思いついたのか、俺の服を引っ張ってきた未来がこっちを見ながら言う。


「ねぇねぇ葵! 私が鍋を見てるから…後ろから──」

「──それは却下で!」


 彼女が何を言おうとしていたのかを理解した俺は即座に断った。

 だって未来が言おうとしていたのは…R-18的な提案だったからだ。

 そんなの10分足らずで出来るわけないでしょうが!

 確実に鍋の中の食材が煮え過ぎることになるしね…。


「……むぅ!!

 仕方がないから寝る時まで我慢するわ…」


「いや、まだシ足りないの!?」


「モチのロンよ♡」


「……あ、ほら! 煮えたみたいだよ!」


 そう言って話題を強引に変えた俺は弱火にしてから鍋の蓋を開け、カレー粉とトマトピューレと中濃ソースを投入し、ひと混ぜしてから再度蓋をする。

 その後ろからは未来の不満げな声が聞こえてきたが、俺は敢えてそれを無視しながら言う。


「ひと煮立ちすればチキンカレーが出来上がるから、未来はお皿にご飯をよそっておいて欲しいなぁ」


「うん、分かったわ♪

 ……あ、おっきくなった♡」


「触ってないで早くご飯を皿によそってこいやぁぁぁぁ!!」


 隙あらばすぐに人の股間をお触りし始める性欲魔人にそう怒鳴りつける俺。

 それを「きゃっ!葵に怒られちゃった♪」と明るい声でそう言い、手を洗った後に炊飯器からお皿にご飯をよそい始める未来に呆れた溜め息を吐くのだった。


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