第23話 未来の荷物到着と搬入3

 未来の私物である本の量が多くて一部屋には収まらない、という理由から姉に電話を掛ける俺。

 だがしかし、先程まで生放送でのテレビショッピングに出てたばかりだから電話に出る確率は低いだろうと俺は思っていた。

 ところがその俺の予想に反して姉はあっさりと電話に出た。


『はいはい、どうしたの?』


「生放送から大して時間が経ってないのに、随分と普通に出たな」


『え? 愛する弟くんからの電話だよ?

 そんなの出るに決まってるじゃない!

 例え打ち合わせ中であろうともね!』


 いや、それはダメだろ……と、俺は心の中でツッコミを入れる。


「そ、そうか…」


『うん、そうだよ~♪

 んで? 私に何か用事でもあったのかな?』


「用事がなければ電話なんて掛けないだろ…」


『それもそうだね~w』


「何か調子が狂うなぁ…。

 まあ、いいや。 姉さんに許可を得たい話があるから電話を掛けたんだよ」


『私に許可を得たい話?』


「うん。 姉さんが泊まりに来た時に使ってる部屋があるだろ?」


『あ~、あの部屋?』


「そうそう、その部屋のことでな」


『あの部屋がどうかしたの?』


「えっとだな……今さぁ、俺の婚約者の荷物が届いたから搬入してもらうところで引越し業者さんに荷物を運び入れる部屋を案内してたんだわ。

 そしたらさぁ、本が多過ぎて一部屋では収まらないって言われたんだよね」


『……だから私が泊まる際に使ってるあの部屋を使ってもいいのか、ってこと?』


「そうそう! それで電話を掛けたんだよね」


『なるほどね。 別に使ってもいいわよ?

 そもそも葵の家なんだから、私に一々聞かなくてもいいと思うんだけど?』


「いや、だってさぁ……あの部屋には姉さんの私物があるわけじゃん?

 だから勝手に移動する訳にもいかないだろ?」


『そんなの気にしないで勝手に移動しても良かったのにw

 私に聞かなくても、ねw』


「そうは言うけど姉さん……家族だからって勝手に私物に触れて移動したりするのはダメだと俺は思うんだよねぇ」


『そこはほら、弟君だから気にしないって!

 だから遠慮なく移動してくれたまえ!』


「……分かったよ、姉さん。

 だけど移動した私物は何処に置けばいいんだ?」


『あ、それならダンボールに入れて廊下に置いといてくれれば大丈夫よ。

 夕方以降に取りに行くから』


「了解、姉さん」


『そゆことでよろ~♪

 あ、マネージャーが鬼の形相でこっち見てるから切るわね!

 じゃ、また後でね弟君!』


 そう言ったのを最後に電話が切れる。

 なので俺はスマホをズボンのポケットに仕舞い、隣で待たせてた業者のお兄さんに言う。


「お待たせ致しました。

 本を置く場所は確保出来ましたが、ちょっと片付けてから本を搬入する部屋に案内しますね。

 ですので先に本類を除いた荷物をこの部屋に搬入して下さい」


「了解しました!

 それでは搬入の方、始めさせて頂きます!」


「お願いします」


 そのやり取りを受け、業者のお兄さんは玄関へと向かい、待機していた仲間に指示を出して荷物の搬入を開始した。

 どうやらこのお兄さんが上司みたいだな、なんてどうでもいいことを思いながら傍に居た未来に声を掛ける。


「待たせて悪かったな、未来」


「気にしなくても大丈夫よ、葵」


「電話でのやり取りを聞いてたと思うけど、別室内にある姉さんの私物を片付けなければならないんだ。

 だから未来にも手伝って欲しいんだよね」


「分かったわ。

 片付けないと私の本を置く場所がないって言ってたものね」


「うん。 だから頼むな、未来」


「ええ、了解よ」


 その返事を聞いた俺は未来を伴い、姉さんが泊まる時に使ってる部屋に向かった。

 そしてドアを開けて部屋の中を見た俺と未来は言葉を失うのであった。



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 2日間も更新出来ずに申し訳ありませんでしたm(*_ _)m

 リアルが忙しくて執筆する時間がなかったです( ´ㅁ` ; )

 更新出来なかった間も本小説を読んで頂き、ありがとうございすm(*_ _)m

 今日からまた更新を再開しますので、フォロー・☆評価・応援を宜しくお願い致します!


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