うばすて

第1話

　人口爆発と宇宙開発は同時進行した。

　と、言うより人口の増加に負けないように宇宙開発の必要が高まっただけだった。

　「俺もこんな先行きの無い地球より火星で植民者になる！」

　そう言って若者たちは先行きも見えない火星や月の植民地。自分が生きる酸素を取り出すだけでも大変で、その中で地球に無くなった資源で植民地を経営する。

　そんな難題を目指すのだ。

　残った富裕層からは”うばすて”と言われている。

　しかし、計画を建てた我々は知っている。植民地の状況は確かにひっ迫はしている。

　残された我々が捨てられたのかも知れない事を彼らが知ることはない。