第5話

「空のかべを壊して

外に出たい?」

鯨の入れ墨を全身に彫った

人魚はせせら笑いながらそういった。

「ハイ」

「それは無理よ。神様が十五度チャレンジして

壊せなかった壁だもの」

「ボクは神様よりスゴイ自信があります」

「どこが?」

「宇宙を創りなおせます」

いってしまってから、ボクはとんでもないことを

口走ってしまったと後悔した。

「宇宙を?」

人魚はせせら笑いながら、しっぽをはげしく

ふった。

「とんだほら吹きね」

人魚がまたあざ笑った。

廃品回収業者の呼び込み機械音が

聴こえた。

ボクは現実にひきもどされたような気がしながら、

周りをまた見まわした。

そこには世界一の大財閥の令嬢、奏美の

模造品が数十体、獣のような顔をして

ボクに牙を剝いていた。


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お嬢様‼どうかボクだけのものになってください!!! @k0905f0905

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