17 ねこさん、解呪に成功する!?

『呪いが解けました! 呪いが解けました!』


 ダンジョンの隠し部屋内に、どこからともなく声が響いてきた。


 チャトサンでも、聖剣からでもない……これは一体……?


 と、ねこさんの右手が、神々しい光に包まれた。


 見れば『ねこすい』が、激しく輝いている。


 あまりのまぶしさに、目をぎゅぎゅっ、と閉じた。


 そして……。


「あーれー」


 意識が遠のいていく、ねこさんだった。




 一瞬だったのか、永遠だったのか……。


 ねこさんは起き上がり、呆然とした。


 右手に『ねこすい』、左手には『にゃんこの棒』が、しっかりと握られている。


「夢じゃ、なかったのねー」


 すっかり毒々しさの消えた『ねこすい』が、微笑んでいるかのように瞬いていた。


『ねこすい、回収、にゃんこの棒、回収』


 チャトサンが、ゆっくりと近づいてきた。


『回収、回収』


 ぐわー、とその口が大きく開かれ、鋭い牙がむきだしになる。


「え?」と思うや否や『ばあぁぐうぅっ!!』


 ねこさんの両手が……聖剣たちもろとも食べられた!?


「ぷ、ぷしゅー」


 ねこさんの口から、何やら白い魂のようなものが抜け出している、ような気がした。

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