　宝箱から溢れ出る煙が、勢いを失っていく。

　ねこさんは『ねこすい』を構えたまま、じりじりとそれに近づいた。

『解放確認！　解放確認！』

　そーっと覗き込んだところへ、大音量の報告が！

「どっきぃーっ！？」

　ねこさんは、身長の三倍は飛び跳ねていた。

すかさず「めっ！」と、チャトサンの頭にぽかりと一撃。

　ぴぴぴぴぴ……

「えっ！？」

　チャトサンの両目から、ねこさんの額めがけて深紅のロックオンレーザーが！

「ご、ごめんなしゃいー」

　たまらず土下座を提示するねこさん。

『ジョーダン、ジョーダン』

　が、その目は笑っているようには見えなかった……。

「気を取り直して、いざー」

　ずりずりと近づき、宝箱の中身を見た。

「こ、これは……！？」

『聖剣にゃんこの棒、聖剣にゃんこの棒』

　ねこの前足を模したような光り輝く聖剣（聖棒？）が、鎮座している。

　ねこさんは震える左手でそれを掴むと、高々と頭上に掲げた。

『にゃー、にゃー』

　聖剣が、くい、くいっ、と手招きしつつ鳴き声を上げた！？

「わー、かっこいいー」

　ねこさん、満面の笑みであった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい