18 でっでれぴっちょんぱっぺーっ!!

『ねこすいがため込んだ生命エネルギーを、EXP経験値と共にご主人に返還、ご主人に返還』


 チャトサンはねこさんの腕をくわえたまま、その目を、ぴぴっ、ぴぴっ、と明滅させていた。


「あ、ああー……」


 魂を抜かれたような顔から一転、恍惚の表情を浮かべるねこさん。


 流れ込んでくる暖かな生命力は、すぐさま衰弱しきった体を癒していった。


 さらに……!


「む、むおー、なんかきたー!」


 でっでれぴっちょんぱっぺーっ!!


 ねこさんは、レベルが上がった!


 HPが0上がった! MPが0上がった! 力が0上がった!


 身の守りが0上がった! かしこさ……は、やめておこう……!?


 素早さが1上がった! きようさが1上がった! 運がじんわり上がった!


 毛並みが何だかよくなった! 目の下のクマが取れた! 肩こりは元々なかった! 


 お腹がすいた! 今日の占いはいつも最下位だった! 何もない所でよくこける!


 寝相は悪い方だ! そして、ギャグセンスは微妙なままだった……! (痛恨!)



「え、えー、なんかディスられた気分……」


 ねこさんのレベルは、上がった……の?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る