12 ねこさん、絶体絶命!?

 結局ねこさんは、有休を半日使い退社することになった。


 生真面目なねこさんは、短剣を売った道具屋に顔を出す。


「あ、アメショー店長ー、すいませーん」


 息も絶え絶えに、店長に謝罪する。


「えっ!? ね、ねこさん? どうしたのその顔は!?」


 見ると、ねこさんの顔からすっかり生気が消え失せていた。


「こ、これ……」


 短剣を見せる。


「あ、これは昨日売ってもらった……やっぱり呪われた武器だったんだ……」


 ねこさんは、今さらながらガクブルであった。


「ちょっと鑑定してみるね」


 そう言って店長は、鑑定の魔法をかける。


 ぽわ~ん、と輝く短剣。


「あ~、やっぱり呪われてるね、この短剣」


「えー……」


「なになに……『妖刀ねこすい』? 呪いの効果は……装備した者の生命力を……吸い上げる?」


 ねこさんは、おいおいと泣いていた。


「あ、呪いを解くには、対になるもう一本の短剣を見つければいいらしいよ」


「そ、それはどこにありますかー?」


「え~と、これがあったダンジョンみたいだね」


 ねこさんは、再びあのダンジョンに挑むことになった。

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