027:だから交尾してるのか!

 今日1日がんばったぞー。

 ヘビの魔物、カエルの魔物、トカゲの魔物、ザリガニの魔物……私でも倒せそうな魔物を選んで倒しまくった1日だった。

 クラーケンの縄張りが近いせいか、水辺に生息してそうなモンスターが多かったかな。

 そういえばカニの魔物とエビの魔物もそうだよね。


 そんでもって、この旅の目的はレベリングだ。

 宝石を拾って食べたり、魔物を倒して出現した魔石を食べたりしてレベルアップすること。

 たくさんの魔物を倒したんだ。幸先いいスタートを切ったと思う。

 思うんだけど……どうしてレベルアップしないのよー!!!!


 本当に全然レベルアップしないじゃない。

 お腹は満たされてるけどもうくたくただよ。

 あぁー、早くレベルアップして全回復したい。


 レベルアップに必要な経験値のゲージとかわかれば色々と調整できるのになぁ。

 次こそ、次こそはー、って思いながら魔石を食べてもレベルアップしないんだもん。

 期待しちゃう分、精神的にも疲れちゃうよねー。 (ほんと嫌なっちゃう)

 でも明日こそはー、って思っている自分がいるのが怖い。


 まあ、レベルアップはしなかったけど、たくさん戦ったおかげで戦闘に慣れてきたかもしれないから、結果オーライ!

 戦闘経験ってやっぱり大事だもんね。

 今後ピンチの時にこの経験が生かされたり、突飛な発想が閃く確率とかも上がったり……まあ、要するに何が言いたいかというと、今日の私はめちゃくちゃ頑張ったってことー。


 今日みたいに頑張った日は、イケメン冒険者が私のことを労ってくれれば最高なんだけどなぁ。

 今は妄想の中のイケメン冒険者で我慢するか。

 さてさて、体の疲労を癒すためにも休むとしますか。 (イケメン冒険者の妄想でもしながら)

 では、今日に感謝して……おやすみなさーい。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇



 ん、んががっ。

 今日もまたよく寝たぞー。

 気持ちがいい目覚めだ。


 《個体名〝ミミックちゃん〟はレベル14に上がった》


 え、うわぁ!?

 び、びっくりしたー。

 急にレベルアップしたんだけど、どうして?

 もしかして眠ってる間に非常食とか食べちゃってた系?


 体を確認するが、非常食の宝石を食べた形跡はない。

 ちゃんと宝石は体に埋め込まれたまま。 (可愛いミミックちゃんのまま)


 それじゃ、寝癖が悪くて落ちてる石とか食べてたとかかな?

 夢遊病むゆうびょう的なやつ。

 だとしても石食べただけでレベルアップするか?

 違う気がする。

 だとしたら……睡眠による経験値獲得?


 元々レベルアップの仕組みをわかってないんだ。

 睡眠によって経験値を獲得することだってあり得る。


 よし。ちょっと整理してみよう。


 宝石や魔石、石などを食べることによってレベルアップするのは間違いない。

 モンスターを倒したことによってのレベルアップはまだ未経験。

 おそらくその線は非常に低い。

 ゴブリンを100匹以上倒してもレベルアップしなかったし、格上のキングラットを倒してもレベルアップしなかった。

 それに昨日のレベリングだって30匹くらいは倒したんじゃない?

 それでもレベルアップしなかったんだから、その線はほぼ無いと考えてもいいと思う。


 それで今回のレベルアップだ。

 意識が覚醒した瞬間にレベルアップを告げる声が脳内で再生された。

 普通に考えたら睡眠だよな。


 はっ!?

 もしかして……。


 食事によるレベルアップ、睡眠によるレベルアップ。

 食事と睡眠……。

 それにこの洞窟で度々見かけたもレベルアップに繋がるんじゃないかな?

 絶対そうだ。そうじゃなかったらモンスターたちだって魔石とか宝石を食べたりするもん。

 キングラットは魔石や宝石を食べずに収集してた。

 クラーケンは魔石を完全に放置してた。

 ドラゴンカップルだって、宝石の壁に興味無さそうだったし。

 ゴブリンだって死んでいった仲間の魔石を食べてレベルアップしたら良かったのに。


 私以外のモンスターが魔石とか宝石を食べてないの謎だったんだよね。

 なるほど、そういうことだったのか。

 私の考えが正しければ、レベルアップに必要な条件――経験値を獲得する条件は3つあるはず。


 食事、睡眠、そして……性行為だ。

 これは三大欲求の食欲、睡眠欲、性欲と大きく関係してる。

 だからモンスターたちは交尾ばかりしてるんだ。

 そう言えば昨日倒したモンスターたちも半数以上が交尾してたっけ……。


 つまりだ!

 私も交尾すればもっと強くなれるってことなんじゃね!?

 人間の男を見つけ次第試さないとな。でも初めてはやっぱりイケメン冒険者がいいっ!!

 ぐへへへ。じゅるり……。

 これは早急に試さなきゃいけないなぁ。

 イケメン冒険者との性行為で一気に100レベルにまで上がっちゃったりして〜。


「カパカパカパカパカパッ!!」


 いや、冗談抜きであり得るぞ。

 女としてかなり成長できるからな。

 あぁ〜、早くヤリタイ!

 ヤリタイ〜!!!!


 ハァハァ……いかん。

 ものすごく悶々としてる。

 これはどこかで発散しなきゃ、爆発してしまう。

 そんなことが起きてしまう前に発散だ。

 モンスターを倒して発散、発散。


 よしっ!

 今日もレベリングの旅へレッツゴーだ。


 上の層に繋がる道にも近付いてるはずだし、今日は気合入れて戦うぞー!

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