第4話:謎の首筋の傷。

「ばたばたして疲れたろ?」

「今夜はもう遅いからメルバは風呂に入って俺のベッド貸してやるから

そこで寝な」


「ふろ?・・・ふろってなに?」


「え?風呂も知らないのか・・・君の星にはないのかな」

「体の汚れを落としたり体を洗ったり暖かいお湯につかったり・・・」


「あ〜あるよ・・・それがふろって言うんだ・・・

それはちゃんと入るよ・・・ 入らないと腐っちゃうからね・・・」


「そうか・・・それは教えなくていいな・・・助かった」


脱衣場じゃないところで勝手に服脱がれたりしたら困るし・・・。


「風呂から出たら、冷蔵庫から好きな飲みも飲んでいいからな」


「ほんじゃ・・・ふろ?入ってくるね・・・」


って言って風呂に入って行ったんだけど・・・メルバの入浴時間は、

めちゃ長かった。

約、3時間くらい出て来ない・・・。


(風呂で何してんだよ・・・のぼせるぞ)

体洗うったって・・・長すぎないか?・・・ギャルってそんなもんなのか?)


待って、待って、ようやく風呂からメルバが出てきた。


そうして俺とメルバはスイーツを食べてオレンジを飲んでメルバが寝る前に

俺は風呂に入ってからメルバのための部屋に連れて行ってやった。


メルバは俺と一緒の部屋でもいいって言ったんだけど・・・そこはそれ、

相手は女だし・・・異星人でも異性には違いないだろ?

一緒になんか寝たら、何もしなくてもまずいよね・・・交流だって言っても、

性の交流じゃないし・・・


「おやすみメルバ・・・」


「ケイスケ・・・私たちまだ会ってまだ深くは知り合えてないけど」

「私はケイスケのこと好きだよ」


「そうだな・・・まあ恋愛を語り合うにはまだ早いかもしれないけど俺はいいよ」

「きっとお互い一目惚れだな・・・いいんじゃないか?」

「一歩通行よりはさ」


「ケイスケ・・・子守唄歌ってあげる」


そう言うとメルバは歌い始めた。

聞き覚えないない歌詞、そしてその声はまるで心の中を浄化してくれるような

美しい声・・・歌うって言うか、奏でるって言うか・・・」

俺はメルバの心地いい歌を聴いてるうちにいつの間にか眠ってしまっていた。


「おやすみケイスケ・・・これからよろしくね」


寝入ってしまった俺にメルバはそう言った。

すばらしき歌姫メルバのは、それから俺に安らかな睡眠をもたらしてくれるように

なっていく・・・まさに俺だけのディーバだ。


そして・・・そして問題は次の朝のことだった。


起きて歯を磨こうと洗面所へ行ったんだ・・・顔を洗って・・・

鏡を見た・・・・そしたら俺の首筋に、二個・・・なにかに噛まれたか

刺されたかしたみたいな傷跡が・・・くっきり・・・。


なんだこれって触ってみたら、すこし痛いし・・・

訳が分からないまま、とくに深くも考えず傷口に薬だけ塗って会社へでかけた。


「じゃ〜俺、会社へ行ってくるから・・・ちゃんと留守番しててよ」

「仕事終わったら買い物して一直線で帰ってくるから・・・」

「いい?ひとりで外には出ないこと・・・テレビでも見てろよ・・・」


メルバひとり残して会社へ行くのは後ろ髪引かれる思い・・・気がかりで

しょうがなかったけど、しかたない。

一ヶ月も会社休めないし・・・。


いっそ会社辞めるか・・・生活費は親父が送ってくれてるし・・・

贅沢さえしなきゃ食っていけるだろ・・・。

メルバが自分の星に帰ったらまた就職活動したらいいや・・・。

いい考えだと思った・・・そしたら24時間メルバといられるし・・・。


そしてその夜、なんで俺の首筋に傷跡が残ってるのかその原因が分かることに

なるんだな。


つづく。

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