第4話 消化器科か、婦人科か

 さて、この時点での私の心境ですが、だんだん病院通いが楽しくなりつつありました。

 地味に金がかかる、もしかするとおおきな病気かも知れない、という不安はあるんですが、年々歳々、毎日同じ事の繰り返しですから、変化がある、自分の身体に知らないことが起きている、ということに妙な高揚感があるのです。

 まあ、8月の定期健康診断で腫瘍マーカーには問題がなかった、というのは安心材料としておおきかったし、私、もともと心配しないたちなので。

 転ばぬ先の杖、って諺がありますが、もし転んだら、転んでから考えるタイプ。


 2020年11月中旬

 町医者の紹介状を握りしめて総合病院の消化器科を受診。

 すぐに総合病院に駆け込まなかったのは、心配してなかったというのもあるんですが「土曜日」にこだわったからですね。仕事を休むのがわりと面倒な職場なのです。


 消化器科の先生は、町医者の撮影した腹部エコーの画像を見て

「まずは婦人科で診てもらってください」

 とのこと。

 場所的に婦人科の病気である可能性もあり、まずはその可能性を確認しておきたい、ということでした。


 そして同じ病院の婦人科の待合に並びます。

 院内電話で先生同士がやりとりして、「予約が取れた」というのですぐ診てもらえると思ったわけですが、これはまあ、甘かったですね。

 私は『総合病院』の混み具合を甘く見ておりました。


 消化器科から婦人科の窓口にすぐに回されて待つこと1時間半。

 11時半に婦人科を受診。


 簡単な問診の後、すぐに経膣超音波検査。


 膣に棒状の器具を入れて超音波で臓器の状態を診ます。


 結構、痛かったです。以上。


 先生が画像を見ながら実況中継してくれるんですが、「そんなのあとでまとめて説明してくれたらいいから早く終わらせて……」と思っていました。

 だいたい、ここが子宮で、この部分に筋腫があって、なんて言われても、私にはなにがなんだかさっぱりですよ。

 検査時間1分少々だったとは思いますが、体感、とても長く感じられた検査でした。


婦人科の先生「小さい子宮筋腫はありますけど、切除する必要もなさそうな大きさです。ほかに異常はありませんね。消化器科に戻ってください。あと、問診で仰ってた貧血の件、お薬出しておきます」


 左様ですか。

(結果論として、この経膣超音波検査では卵巣嚢腫は見逃されていました)

ほかに、生理が重いと言うことで生理を抑制する治療法の説明も受けました。(ミレーナを装着する方式)

 ただ、ここ半年、非常に生理不順で年齢的にも(48歳)閉経が近い可能性もあり……

 これについては判断を先延ばしにすることに。

 とりあえずは下腹部の異物がなにかを確定させることを優先させます。


 消化器科に舞い戻り(また30分ほどの待ち時間)、翌週、CT検査の予約を入れて終了です。


 ちなみに、このとき処方してもらった鉄剤「クエン酸第一鉄Na錠50㎎『サワイ』」ですが、とてもよく効きまして、3週間の服薬で、私は三十年来の貧血から解放されたのでした。

 え? 息苦しさがなくなった? なんか身体が軽い……これが身体に酸素が行き渡る感触……?

 あんなにいつでも習慣的に齧ってた飲み物の氷を齧りたくなくなるってどういうこと?!(貧血特有の氷食症)


 ……こんなにすぐに良くなるなら、貧血ぐらいと思わずにもっとはやく医者に行けば良かった……

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