第2話 過敏性腸症候群は突然に

 さて、季節は移って2020年10月中旬。


 突然の下痢。

 しかも続く。

 おなかが痛いというよりは、ただもう、水様便が出続ける。

 食べたり飲んだりするとすぐに出て行く。

 しんどいとか、そういうんじゃなくて「トイレのそばから動けない」。


 急遽会社に「休む」と連絡を入れ、這いずるように近所の内科に行って受診。

 先生に「食あたりでしょう」と言われて薬を出してもらいました。

 でも薬はさっぱり効きません。

 結局、飲水含む、食事を調整することで出勤し続けたものの(出すものがなければ出ないので外出先での食事を極力控える)、七日後「薬が効かないので全然下痢が治らない」と再受診……

 こんなに下痢が続いたことなんて私の人生でかつて一度もなかったんですけど。


 実は再受診の時点で、自分で症状を調べ、「もしかして過敏性腸症候群ではないか?」という予測は立てていました。

 コロナ禍の不安、仕事のストレス……え~なんに対してもわりと大雑把に生きている私が精神的なストレス溜め込む? まじで? 自分の胸に手をあててみてもイマイチ、ピンとこないんですが、症状からこれが近いのではないかと……

 まあ、原因がはっきりしている病気じゃないしね。


私「もしかすると過敏性腸症候群とかいう病気じゃないかと思うんですけど、その可能性ってないですかね?」


 のんびりした会話に織り交ぜて、こちらの予想をソッと出し。


先生「ではその薬を出しておきましょうか」


 ということで、過敏性腸症候群のお薬をいただきました。

 コロネル錠というやつです。

 そしてピタリと治まる症状。

 私の一週間にわたる下痢との戦いは終わりました。


 ここでの注意点は、どこのだれそれが『藪医者』ってことではないのです。

 医者に行ったからと言って、100%の確率で、すぐさま症状から病名がピタリと当たるなんてことはないってことですね。

 もちろん医者はプロですから、これまでの経験に照らし合わせて症状を判断、当たるかもしれませんが、それはその地域の住民において「よくあるパターンだったから」である可能性が高い。

 私なんか常日頃医者なんか行かないんで、医者からしたらプロフィールもよく分からない人物が

「腹痛はあまりないんですがとにかく下痢が酷くて」

 と訴える、その訴えと多少の検査(その場である程度検査結果が出る尿検査とか血液検査とか)で病名を判断せねばならないわけですよ。

 当初、消化不良・神経性胃炎の薬を処方されても、まあ順当な判断なわけです。


 何はともあれ治る病気で良かった。


 この時点で、私は薄ぼんやりと、『かかりつけ医』の必要性を意識することになります。

 定期的に通っていて、プロフィールをある程度分かって貰ったうえで受診していたら、誤診も減るんじゃないか、と思ったわけですね。

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