第75話魔王Ⅱ
ああ、なんでこうなった。
大勢の魔族が目の前に・・・
『右からアルバル』
ああ、結晶の体の奴か・・・
『次がシルーミル・・・』
1メートルになってない女の子?・・・
『主殿、あまりジロジロ見てはいけません。ああみえて2万の魔族を従えるつわものです』
え!そうなの・・・
『次の方がアシュラン』
あれって虎の毛皮か・・・それを虎パンツにして虎のマントをはおっている。
上半身は裸で腹筋もムキムキだ。
『最後がアンキ』
え!太っちょの男だぞ。
あれで魔族がつとまるのか・・・
『ああ、あの方は何でも吸引して食べてしまうので「漆黒の穴」と2つ名があります』
へ~ぇ、そんな能力があるんだ。
その4貴族が並ぶ位置より数段高い位置に椅子があった。
なんて大きな椅子だ。
貴族や魔族が好奇の目で俺の動きを見てた。
「え!この椅子に座るの・・・」
シェリーが『魔王なら、どうどうと座ってください。皆が見てますよ・・・』
座る位置が俺の胸あたりだ。
なので風魔法を使ってゆっくり浮かんで座った。
アルバル『魔王様、我らを統治してくださることを感謝します』
『感謝します!』と
ハーベンの城が7貴族で1番大きな城だった。
なので魔王の式典も、ここの
ああ、めちゃ恥ずかしい。
穴があったら入りたい。
『それでは魔王様、ジャジーニを攻める決断をした時には、御呼びください』
あれれれ!あんなの大勢いた魔族と貴族が消えたよ。
残ってたのは、ハーベンの配下だけだが、それも開いた扉に向かって歩きだしたよ。
「祝いとかないの・・・」
『ありません・・・それは人間の風習なので魔族には通じません』
ああ、そうなんだ。
魔族ってドライなんだ。
なので、この城の庭でオーク肉の焼肉パーティーだ。
オーク肉を手早く切るシェリー。
切った肉を七輪で熱々になった網にのせる。
「ジューゥ」と焼ける音が・・・やっぱ炭火だな。
「なにするんだ。のせ過ぎだぞ」
アカは、器用にハシを使ってドンドンのせるから困るよ。
向こうの七輪では、ハイデンとレッドが半焼きで食べていた。
食べても腹を壊さないからいいか・・・
その向こうでは、ハイブラックが生のオーク肉にかぶりつく。
「ウマ、ウマウマ」と言ってるように聞こえる。
きっと手でも出そうものなら
ひっくり返していた肉が、ちょうど食べ頃だ。
つまんで焼肉のタレにつけて食べる。
やっぱオーク肉は、最高だ。
もう1つ取ろうとしてアカのハシが「ペシッ」と叩く。
「なんで・・・」
『カリカリに焼けた肉がいいです』
アカって焼き過ぎが好きなタイプか・・・
レッドは半焼きなのに・・・
どう見ても焼き過ぎた肉をタレにつけて食べるアカ。
そんなこんなをしてたら、大勢の魔族が匂いつられてやって来た。
『魔王様、何をなされているのですか・・・』
「焼肉パーティーよ」
『よろしければ、我らも食べさせてください』
「魔族って肉を食べないの・・・」
『我らは・・・生命力をたまに吸引するだけで良いのです』
ああ、食べる習慣ってないんだ。
それなのに『うまいぞ・・・こんなの初めてだ』
『焼き過ぎだ!ちょっと焼いた肉が極上の味なのに』
魔族もオーク肉を切りだす。
網や七輪も勝手に作って、箱に入った備長炭も勝手に使いだす。
『おお、いい香りだ』
『タレをつけて焼いたら美味過ぎる・・・』
あんなに大量にあったオーク肉が・・・
なので極上の黒毛和牛の肉もだす。
『この肉もいいぞ。口の中でとろける感じがいい』
あ、アカが調理酒を出して魔族にすすめてるぞ。
「トクトク」と茶碗に注ぐ。
『これは、いい』と飲んでる。
ああ、いわんこっちゃない。
その一杯の酒で酔って寝てるぞ。魔族って酒に弱いぞ。
きっと目覚めたら二日酔いだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます