ダンジョンで血魔法で無双

第60話遠見の鏡

ポーションを倉庫に納入。

「アカ、帰るか・・・」

『帰るの・・・』

「帰るよ・・・鏡よ、出ろ」

そんな鏡に飛び込んだのは、アカだった。

続いて俺も入る。

「ああ、仕事が完了したな・・・飛ぶように売れるからって注文し過ぎだよ。どう思うシェリー・・・」

なんとパソコンに向かって笑ってるシェリー・・・

「シェリー、なにをしてるんだ」

やっと気づき俺を見た。

『え・・・株取引きで時たま失敗して大損してたのをＡＩ学習能力が学習完了したようで、損をしなくなかったので・・・つい笑ってしまい』

「どれどれ、儲けた金額はどれ」

指をさした数字を読む「え！５０億を超してる」

『主殿、驚くのは、まだ早いです・・・所得税１５.３１５％と、住民税５％、合わせて２０.３１５％の税金がかかります。主殿、抜け穴を使ってもいいですか・・・』

「なにを・・・嫌々やめてくれよ。こっちも結構儲けているんだから」

『私は、こっち側の人間ではないので、良くないですか・・・』

「ここの住所などバレテないよな」

『そんな初心者のようなことはしませんよ』

「それでもやめてくれ・・・危ないことは・・・」

『仕方ありません。主殿に従います』

急にスマホで連絡してるよ。

乱雑に置かれたノートを何気に見る。

なんと日本語で書かれた株取引きのメモだ。

なるほど、エルフの言葉に株の言葉なんかない。

だから仕方なく日本語か・・・

「人の行く裏に道あり花の山」

群集心理に惑わされるな、他人とは反対のことをやった方が、うまくいく場合が多い

「買いたい弱気　売りたい強気」

人に頼るな、自分の判断に自信がなく、希望的観測にすがるな・・・

「相場の器用貧乏」

小手先を利かせて売ったり買ったりして、目先の利益は上げても大きな利益にならない

これって株取引きの格言らしい。

説明がそんな風だ。

売買注文

証券会社を通じて売買するが、注文はすぐに反映されない。タイムラグに注意

インサイダー

会社の内部情報を知りうる立場の人間が株取引きをした場合

５年以下の懲役もしくは５００万円以下の罰金に処せられ、また、インサイダー取引で得た財産は没収になる

これには、抜け穴が色々ありそうだ

インサイダーなら知っている。

家族が株取引きを行なってもインサイダーになるんだよな・・・

それにしても色々勉強してるんだ。

アカが寄ってきた。

『行かないの・・・』

「ああ、行くよ」

錬金術室となった部屋に入る。

アカが真剣に気張りだす。

ポーションにドラゴンの血を混ぜて儀式を行なっている最中だ。

そしてアカの魔力を注入してできあがる。

『できたよ』

ビンに入ったポーションが出現。

「これがエルフを生き返らせたポーションか・・・」

俺に鑑定できなから「シェリー！来てくれ」

『なにか御用ですか・・・それはエリクサー！・・・もしかしてアカさんが作られたのですか・・・』

『そうだよ』

シェリーは、一目見ただけで分かるんだ。

しかし、生き返らせるにも制約があるらしい。

死後１２時間内に使用。

早い場合の成功率は高く、時間が経つにしたがい成功率が低下。

なるほど、エリクサーも万能ではないようだ。

『どうします・・・『ユニコーン』で販売をするのですか・・・』

「嫌、やめておこう・・・ドラゴンの血にも限りがあるから・・・エリクサーで殺し合いが発生しても困るからね」

『その可能性はあります』

『次の物も作る・・・』

「まだ魔力に余裕があるのか・・・」

『あるよ』

「じゃー作ってくれ・・・」

またも気張りだす。

『出来たから出すよ』

ボンと出たのが高さ２メートル、幅は７０センチの楕円の鏡だ。

『これは、なんですか・・・』

「これは、遠見の鏡だよ。知ってる人や動物の目を利用して見たままの映像が見れるんだ」

『音は聞こえますか・・・』

「聞こえると思うよ」

『どうすれば見れるのですか・・・』

「触って思いうかべるだけだな」

シェリーは、鏡を触りだす。

鏡には、豪華な部屋が・・・手元には書類があった。

え！なんの映像だ。

「これを今頃になって出すとは、貴様！我が社を倒産させる積もりか！」

急に怒鳴り声・・・なんと鏡からだ。

シェリーは、鏡を奪うように持って自分の部屋へ・・・

「アカ、色々作ったな」

『なんでも作るよ』

アカを抱っこしてリビングに来たらシェリーの部屋から笑う声が・・・

なにごとかと襖（ふすま）を開ける。

なんとパソコンと遠見の鏡を配線で繋いでパソコンをカチャカチャとやってる。

もしかして遠見の鏡で情報を仕入れて、株の売り買いをする積もりか・・・