第59話マタタビ



城から帰った俺は、速攻でガンバ商会で両替を頼んだ。

あんな1円玉なんか見たくもない。


あいにくシリー・ベンは、商談で出かけていた。

なのでふっくら猫のサルサさんが店を切り盛りしている。


「え!両替ですか・・・困りましたな・・・両替は、国王管理の財務課でやってますよ」


「もらった金を両替したらバツが悪くないかな・・・」


「それは、悪いかも」


「なら、ここで両替を頼むよ・・・手数料を取ってもいいから」


「分かりました。ドラゴンを退治した勇者さんの頼みです。1枚金貨2枚の手数料にさせて頂きます。めいっぱい頑張った積もりです」


「うん、それでいいよ」



アルテラ貨100枚=大金貨1万枚

手数料金貨2枚×100=200枚=大金貨20枚


大金貨1万枚-20枚=9980枚



そんな大金貨をアイテムボックスに収納。


気のいいサルサさんで助かった。

シリー・ベンなら手数料金貨3枚は取ってただろう。


なのでダブルジッパーの袋を御土産に手渡した。


「これは、なんですか・・・」


「この中にマタタビの粉末が入ってて、猫族が好きな匂いがして気分が爽快そうかいになるらしいです」


「本当かい・・・」と言いつつダブルジッパーを開けて袋も開けた。


「これは・・・なんニャンな・・・ああ、気持ちがいいニャンニャ」


もう床に寝転び「いいニャン・・いい」


シェリーも『なんで・・・まるで酔っぱらいのように・・・このマタタビってなんですか・・・』


「だから猫が好きな匂いがするんだよ」


『それにしても急にこんな姿に・・・』


シェリーも呆れて見てる。


俺もなんだかヤバイっと思った。ダブルジッパーを必死にしごく。

そして手で拡散・・・案の定、店先の客や店員も同じ症状だ。




30分後には、正気に戻った。

それに店先には、大勢の猫人がマタタビに引き寄せられて集まっていた。


「あれは、なんだったんだ。あんな気分のいい感じは初めてだよ」


「こっちに残り香がするぞ」


ざわざわと猫が移動。

サルサは、その会話を見逃さなかった。


「ジンさん、よろしいですかな・・・」


「なんですか」


「マタタビを大量に仕入れてもらえないでしょうか・・・いい値段で買いますよ」


「いくらぐらい出せますか・・・」


「この袋で銀貨1枚で」


マタタビ 粉末 10グラム 436円


ネットで買ったから送料678円。

だから1,114円


銀貨1枚=1万円


1万円-1,114円=8,886円


中々な儲けだ。

それに3,980円以上で送料無料になるって書いてあった。


なので1000袋注文しれば43万6千円。


送料抜きで1袋、9,564円。

9,564円×1000=956万4千円



サルサは、手書きの契約書をサササッと2枚書いて、互いにサンイしたよ。


そして肉球にペタペタとインクをつけて契約書にペタッと押した。


「え!手形を押すの・・・」


「そうだよ・・・肉球は1つ1つ違うからね・・・真似なんか出来ないよ」


仕方ないく俺も手形を押した。


別れ際には「できるだけ早く頼むよ」と言われたよ。




門の外に出るとハイデンとメターが待っていた。


『早く我を異世界に行かせろ』


ははーーん、ハイデンにとって日本は異世界か・・・それはそうだな。


「鏡よ、出よ」


パッと鏡が出た。


『これは闇の鏡では・・・』


「ごちゃごちゃ言わずに行くよ」


俺は、鏡に入った。


最後に来たのは、ハイデンだった。


『なんと薄い中に人がいるぞ!・・・お、お前はゲプラーか・・・』


「なにを赤スケルトンにゲプラーって呼ぶんだよ」


『何故だろう・・・我も分からん・・・記憶が』


昔の仲間に赤スケルトンと同じタイプのスケルトンがいたのかも・・・



スマホを取り出す。

やっぱポーションの注文が入っていたよ。

またも1万本。


レッドが近づき触ってと・・・


『ご主人、野菜を増やしてほしいって・・・人気なんだよ』


ノートパソコンで見ると店を開いて、30分で完売らしい。

なので客からもクレームがあるのか・・・こりゃ大変だ。



鏡を出して、6階へ・・・


オーク狩りを開始。


「あれって、キングより小さいが普通のオークとは、あきらかに違うぞ」


向かってくるオークを斬りながら指を切って血球を飛ばす。


狙うオークの口に命中。そのオークの動きが止まる。


しかし、まだまだ襲ってくるオークを真っ二つ斬り裂く。

そして、振返ってオークの首を斬りねる。


あ、時間が出来た。

オークを『しもべ』にする。


なんとジェネラルオークだ。


「お前の名はジェネだ。オークをやっつけろ」


「ブヒ、ブー」と頑張るジェネ。


パンチでオークを殺しやがった。

体当たりでオークをぶっ飛ばして、そのオークをブンブンと回してオークを倒す。

使い物にならなくなると新しいオークでブンブン倒す。


ああ、これで畑用のオークを確保だ。

後は広大な大地に畑を作れば解決だ。


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