第49話死刑
宿屋でアカと錬金術の禁書の訳をあれこれ
シェリーも知らない太古の文字らしい。
『解体新書』を訳した人達の苦労がようやく分かる気がするよ。
「この文字はなんだと思う・・・」
アカは、ノートパソコンをポツ、ポツ、ポツと押した。
「操作・・・なら前の人工生命体を操作するって意味か・・・もしかしてゴーレム? 」
『それって何・・・』
「人工生命体の定番だな」
次のページをめくると、なんと結界が・・・しかし、アカがバチッと解除。
まぎれもない設計図だ。
それも見た事ないゴーレムの姿だ。
生命維持装置に少ない量だがオリハルコンが使われてる。
残っていたオリハルコンでまかなえる量で助かったぜ。
「この賢者の石って何で出来てんだ」
『賢者の欠片なら・・・あったよ』
「なんだと!」
アカがページをめくりだす。
バタバタバタと足音が・・・
ガバッとドアが開いてシェリーが「大変です」と入ってきてドアをバタンと閉める。
そして、精霊魔法でドアをロック。
「それって・・・何かあったのか・・・」
『み・・・みずを・・・』
感情が高ぶってるようだ。
コップに水を注いで手渡した。
もうシェリーは、一気に飲み干す。
「ようやく落ち着いたようだな・・・ゆっくりでいいから」
『裏組織のボスが捕まったのですが教皇暗殺を考えていたようで大変な騒ぎです。それに、この街から誰も出るなと通達で、なので大教会ミランへも入れないと張り紙が貼られていました』
「え!この国の大教会に行けないってことは、あの巡礼の人も出れないってことだよね」
『裏組織の残党が居ると考えられると噂されていて、誰も納得してるようです。それに大教会の都市全体を何重にも結界を張ってるようで、破られても結界を次々に張るみたいです。それには訳があってアジトの結界を破ったのが原因でした。このままだと、ここにも捜索隊がやってくる恐れが・・・』
最後の言葉を早く言ってよ。怪しい者の捜索なのは分かる。
急いで木の窓をドンッと開けて見る。
まさに捜索隊らしき6人が宿に入ってきた。
「我らは、聖兵だ!怪しい奴はいるか!」
『聖兵って大教会の兵です。斬り捨て御免もできる強い兵です』
「アカ!」
アカは、俺にまとわりつく。
「シェリーも飛べるなら飛ぶぞ!」
窓から外に飛んだ。シェリーも追い駆けるように飛んだ。
ドアがドダンッと蹴破る音がした。
それも隣の部屋だ。
「なに、しやがるんだ」
なのでシェリーは、Uターンして窓を閉める。
そして、空に逃げる。
「おい!あれを見ろ!」
シェリーも指差す方を見る。
大広場で人々が大勢いて「ただいまより死刑執行をとり行う」
なんと公開処刑を・・・
黒い服に黒い布袋を被った男が中央の高台に立っていた。
袋には2つの穴が開いている。
口部分が開いてないことから、絶対にしゃべらない誓いらしい。
そして布袋を被った男達が両脇を無理やり引張られている。
どんなに集中しても声が聞き取れない。
俺の暗視は、しゃべれない状態にされているのがハッキリと見えていた。
『あれは・・・気絶させた賊です。鑑定したので間違いありません』
「シェリーが気にすることなんてない。奴が悪事を働いた結果だから・・・」
無表情な死刑執行官は、槍を死刑執行人に投げ放つ。
「死刑執行人!・・・殺せ!」
軽々と槍を回転させて言ったタイミングで心臓を突き刺していた。
刺された部分から赤い血がふきだす。
一瞬硬直するが消えて血のついた衣服と小さな球が落ちる。
死刑執行人は、前に歩きだして鉄底の靴で力強く球を踏みつけた。
グシャンと壊れる音が・・・
群衆から
「正義の
「この糞カルマ野郎!」
またも面前に引っ立てられる男は、ジタバタとあがなう。
異様な雰囲気が男を恐怖に落とし入れるようだ。
死刑執行官は、目で合図。
その瞬間に心臓を突き刺す。
球を踏んだ瞬間にまたも響きが起こた。
『主殿・・・行きましょう』
「そうだな・・・」
誰も居ない場所で降り立つ。
「この国に居るのはヤバイなーー、だから我が家に帰るかーー」
『仕方ありません・・・しかし、良い事をして逃げるなんて』
「こんな場合もあるよ・・・ほとぼりが冷めてから、またくればいいよ」
そして鏡をだす。
1番に飛び込んだのは、アカだ。
俺が入った時には、レッドと抱き合っていた。
飽きないのかな・・・
なにやら自慢話をしてるようだ。
身振り手振りで嬉しいよ。こっちも嬉しいなどなど・・・そして、またも互いに抱き合う。
何回やるんだよ。
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