第39話異世界の商売



「ここが業務用が多いスーパーか・・・めちゃくちゃテンションが上がるぞ」


一番に目に入ったのが塩だ。


「この塩なんか家庭で消費しきれない量だぞ」


とりあえずカートの下の段でドンと載せる。


●塩    2895円

内容量:25.3kg

原材料:海水

商品サイズ:370×580×95mm



「あ!砂糖だ。沖縄黒糖もあるが異世界で売るなら白い砂糖が定番だな」



●砂糖   9236円

内容量:30kg

商品形状:粉末



よっこらしょっと下の段の載せたら、もう入らないぞ。

次が少ない量の物を買うか・・・


「胡椒を見っけ。買っちゃえ!」


●胡椒   680円

内容量:300g

商品形状:粉末


「あ!何を・・・そんな唐辛子を異世界人に喜ぶか・・・それも中国産のキムチ用だ」


アカは、ダメかな~って見てくる。

まあ、試し買うぞ。



●唐辛子  1354円

内容量:1kg

商品形状:粉末



「あ!お茶も良いな・・・これも買うか・・・」



煎茶せんちゃ   2210円

内容量:1kg

風味:緑茶



「この紅茶のインスタントもいいかも」


●紅茶   6300円

内容量:1kg

商品形状:インスタント粉末



「飴も買ってしまえ。俺も好きだから」



●いちごミルク飴   1485円

内容量:1kg

商品形状:キャンディー




領収証


登録番号T8200003278


1月15日(月)19:24 レジ001


※ナナイ 塩        ¥2895円

※ミツイ 砂糖       ¥9236円

※マルコ 胡椒        ¥680円

※アジア 唐辛子      ¥1354円

※サクラチャ 煎茶     ¥2210円

※ヤマエン 紅茶      ¥6300円

※タイト いちごミルク飴  ¥1485円


小計           ¥21950円

外10%          ¥3195円

合計           ¥25145円

お預り          ¥30000円

お釣り           ¥4855



領収書を見ても案外安いのか高いのか分からん。探せばもっと安いのもあるダズだ。


よっこらしょっとカートを押しながら外に出る。


ここなら誰にも見られない。


「アカ、収納だ」


そのまま異世界の鏡をオープン。

サッと入って素早く鏡を消した。


そこは、リトナス国の城門の外だ。

行った場所なら鏡は、その場所まで行ける便利ツールで俺は気に入ってる。


「アカ、出してくれ」


あ!アカは、カートも一緒に収納してた。

店の人が怒ってるぞ。

急いでたから・・・仕方ない。そのままカートを押して行く。


門を抜けて、しばらく歩き続ける。


あ!あった。

ここの裏側に回って「御免ください。シリーさんの紹介で来ましたジンです」


緑頭に太ったおっさんが「あ!黒い頭か、珍しいな・・・なんと珍しい物に載せてるのが、いい商品でも持ってきたか・・・」


「はい、持って来ました」


「まあ、ここでは商売の話もできないので中で・・・」


案内されるまま入る。


個室に入って「その可愛らしいのから見ようか」


それは、いちごミルク飴だった。

袋を破って1つのキャンディーを前に差出す。


不思議そうにイチゴの絵を見ながら、なんとか飴をだして舌でなめる。


「お!甘いぞ・・・」


口の中に入れてグルグルなめ回す。


「これはいくらだ!!」


「末永く商売をしたにので、それなりの値段でお願いします。値段はそちらで・・・」


「こっちに値段を決めろって・・・中々商売上手だな・・・奮発して大金貨1だ・・・その代わり後20は欲しいなーー」


「え!そんなに高く買ってくれるの・・・」


あ、しまった。

向こうも俺の言葉を聞いて後悔してるぞ。

今更撤回もできない。


「大金貨1で買取るから必ずな・・・20を頼むぞ」


「分かりました。近いうちに来ます」


大金貨1枚は100万円だからめちゃくちゃな高値になったぞ。

もう驚きの値段だ。


金貨1枚で10万円で銀貨1枚が1万円らしい。

銅貨1枚は千円。小銅貨1枚で100円。小銅貨のボロボロが10円から50円で取引きされてた。



塩は、金貨2枚と銀貨2枚。

砂糖は、大金貨1枚と金貨3枚。

胡椒は、金貨1枚。

唐辛子は、0円。

煎茶は、銀貨3枚。

紅茶は、銀貨7枚。


唐辛子は、なめた瞬間「こんな辛いのは、なんだ!」と怒られた。

しかし、持って帰るのも嫌だったので「野菜など漬け込むと美味しくなります」と言って置いてきた。


なんとか金と商品価格の情報を手に入れた。

今度は買い物だ。



そして珍しい店に入った。

ここもシリー・ベンが教えてくれた店だ。


「なんだこれは・・・いいのがある」


店に飾られていたのは、錬金術が作った防具や武器と装飾品。

細かく特性や価格が書いてあった。

それも普通のではなく、ステータスアップや切れ味抜群や衝撃低減のオンパレード。


やっぱ値段が半端ない。

最高金額で大金貨30枚。


力アップの剣が大金貨5枚。

そんなに高いのか・・・盗賊の金も合わせて大金貨3枚と少ししかない。

1番安いので大金貨4枚。


店のおっさんも怖い顔で睨んでるし、あきらめるか・・・

あ!大樽に盾が無造作に・・・「この盾はいくらですか・・・」


「ああ、ガラクタだからね・・・それでも金貨1枚だが買うかい」


なんか気に入ったので買う事にする。

丸くて黒くてデコボコの表面だが・・・

金貨を置いて逃げるように店をでる。



早速、左腕を差込んで握ってみる。

え!なんか声が・・・


俺は驚愕した。


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