第38話シェリー



なぜなんだろう・・・?

あんなに普通に主殿と話せたのに・・・今では手振りで最低限の伝達しかできないなんて。


「まあ、仕方ないから・・・このノートパソコンで動画なんか見て勉強すればいいよ」


あれ!何を言ってるかぜんぜん分からない。


なんと!こんな小さな物に小さな人が入り込んで会話してるわ。

2人が話し合って・・・あ!笑い声が聞こえる。


「これは漫才だよ」


『まん・・・ざ・・い』


「そうだよ漫才」


なんて不思議なんだろう。



見たこともない生き物が走り回っていた。


「それはチーターだな」


『チーター・・・』


「シェリーは、凄いじゃないか・・・もう覚えたのか・・・」




なんと『ひらがな』の文字を1つ1つ発声して覚える事に。


『あ』が表示されて「あ」って話しかけるくるのよ。


「シェリーも「あ」って言ってごらん」


『あ』


「うまぞ・・・次は「い」だからな」


『い』


『ひらがな』をマスターしたのに『カタカナ』を覚える羽目に・・・なんで同じ発音で字が違うの・・・


あれ!このボタンに『ひらがな』が書いてある。

この文字は、なんなのアルファベット!これも覚えるの・・・


ああ、ここでは様々な文字が乱立してるなんて、1つにすれば良いと思うのは私だけかしら・・・



もう必死に覚えたのに『漢字』って何よ。


なるほど、『木』は木の形からできた字なのね。


なんなのよ!1つの文字で音読みの「ボク・モク」があって、訓読みの「き・こ」があるなんて信じられない。

なんて理不尽な漢字なの・・・え!その場の文脈で判断するって言われても・・・頑張れと言われても・・・


なんと、ここでは「日、月、火、水、木、金、土」で1週間と呼んでいたのよ。



長い間も勉強し続けた結果、見えるようになったの・・・

この不思議な物から小さな妖精が出て来て・・・『どう、ここに慣れた』


ここの世界で始めて見る妖精。

なんだかバチバチと放電してるから・・・本人は電気の妖精って・・・



そんな妖精も主殿には見えてない。

隣にいるアカ殿にも見えてない。


『君しか見えないよ』


え!勉強を手伝ってくれるの・・・見た事もない小さな妖精が・・・


言葉でなくなんとなく理解できるなんて。


『これがリンゴって名前なのね。ここへ来てから最初に食べた食べ物。分かったわリンゴね』



小さな妖精のおかげで日本語をマスターしたわ。

今度は英語。


こっちの方が簡単にマスターできるわ。

大文字、小文字も覚えたわ。


文法も中々いいわ。



『Main hall』


「え!何・・・それって英語」


『主殿は英語をマスターしてないのですか』


「する訳ないだろーー。英語の点数は悪かったのに・・・それにしてもシェリーは、天才だな」




なんとシェリーは、『オーク』の販売サイトのプログラムを変更してた。

見た目もグレードアップしてたけど社長から「変更するならするって言ってください」と怒られたよ。


もう好き勝手なシェリーだ。




『主殿!防衛省のハッキングが成功しました。何か知りたい事はありませんか』


「何やってんだ!それって見つかったら捕まるぞ」


『そんなヘマなんかしませんよ。私を誰だと・・・もう対策してるので大丈夫ですよ。CIAもハッキングしますか』


もう、ドンドン怖くなるシェリーだ。

なので、この国の法律で何が良くて何が悪いか教えることにする。


『どうして、なんで』の連発だ。


まあエルフの世界では、長老や精霊王が法律みたいなものだから仕方ない。

なんとか分かって貰えたようだ。



『主殿、FXをやりたいです』


「何を急に・・・それにFXって何・・・」


『何も知らないのですか・・・FXは通貨と通貨の取引きで・・・外国の通貨の売り買いして利益を出すんです』


「いやいやそんな事を聞いても・・・よく分からんが100万円を好きなようにすればいい」



え!何で。

100万円が2000万になってたよ。

1日で、そんなに稼げるものなのか・・・


なんでもAIで国々の情報を探し回って、総合的に判断して売ったり買ったりして利益を上げてるシステムらしい。

なのでノートパソコンの前で見る必要もない。


もう、1日でプログラム言語を覚えて実用プログラムを完成されるなんて、天才過ぎるぞ。


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