第37話ポーション効果Ⅱ



あのニュースを見てから気になって、ノートパソコンの電源を入れたよ。


登録していた『ユニコーン』の販売サイトを急いで見る。

大変なことになってた。


え!ポースションが売り切れ状態だ。


200本を宅配で送ったハズだ。

配送状況も配送完了になってる。それを売り切ったのか・・・


それなのに販売価格が3500万円だよ。

え!まだまだ価格が上がってるぞ。

あれ!3600万、3900万と価格だけ更新だ。

なんと項目も『超人気商品ポーション改』って・・・誰だよそんなネーミングにしたのは・・・


あ!5000万を超えたぞ。


あ!コメントも一杯だ。


『コメント失礼します。こちらのポーションを購入させてください。絶対に絶対にお願いします』


『スウェーデンのアン。急いでポーション1億円だす』


『アメリカのマフィアだ。金はあるから売り上がれ。売らないと殺すぞ!』


あ!コメントが飛び込んできた。


『探索者です。難病の3ヶ月の娘に神に祈る気持ちでポーションを使用しました。娘は奇跡的に全快して医者も大丈夫だと言ってくれました。ユニコーンの皆様には、感謝しかありません』


なんとダンジョンに入って討伐なんか出来ない赤ん坊が、ポーションで治るなんてありうるのか・・・ダメもとで試す気持ちは分かるが・・・

これってマジか・・・今までのダンジョンルールが無視だよ。

それだけアカのポーションが特別ってことなのだろう。



このコメントは、大ニュースとなった。

その探索者に記者が押し掛けて、仕方なく記者会見が病院の方で開かれた。


「今回の奇跡の全快は、事実です。赤ん坊の容態には副作用もなく正常な健康体だと認識してます」


「それは病院側の実直な考えですか・・・虚偽報告でないと言い切れますか」


「あんた!失礼だぞ。わたしの恩師にも見てもらったので間違いない」


たまに居るんだよな、こんな無茶な質問をする記者は・・・



そんなニュースを見てた俺に、アカが近づいて来た。

そしてスリスリって、カマって欲しいらしい。


「アカは偉いぞ」


ピョーーンと跳ねるアカだった。

え!レッドもピョーーンと跳ねた。

え!またもアカが、え!またのレッドが・・・


おいおい、いつまでやるんだ。



それにしても政府は、こんなに爆上がりした価格を許したなーー。

今までの政府方針では、ポーションの価格をあえて低く押さえ込んでいた。

それなのに・・・特別なポーションだからか・・・


もうニュースでは、世界の各国からの要請が半端ない。

大使の総理官邸訪問は、連日ニュースで賑わっている。


政府も世界に対して切り札ができたと大喜びで、「今後は、各国にも売るように検討中です」と発表。

ダンジョン連盟の調印も日本で始まっている時期と重なって、連盟加盟国からも総理会談の申し込みが殺到。




中には嘘八百で手に入れて、転売するやからも現れて大混乱。

転売ヤーは、ネットで炎上して実名や学生時代の顔が晒されてたよーー。


そうなると警察も黙ってなかった。

ダンジョン品の転売って違法だから・・・すぐに逮捕されて地上波でもニュースとなっている。


「あなたは、それでいいのですか!」


「顔を見せろ!クソ野郎!」


「今田真!早くこっちを見ろ!」


あああ、記者と野次馬で警視庁前はごった返しているぞ。

あ!無理やりマスクをがす奴がいたぞ。

もろに顔出しだ。


ああ。もう人生が終わった・・・




「仕方ない配達するか」


アカをまとわせて靴をはいて飛び立つ。

もう風魔法も慣れて凄い勢いで飛ぶ俺は最高だ。

行き先は岐阜方面・・・


スマホ画面を見る。


「なんだちょっとずれたか・・・」


ペシペシとアカが合図してきた。


「宅配の営業所はあそこか!」


グググッと降りて、人が見てないのを確認して「アカ!ステルスモード解除だ」


「アカ、出してくれ」


手押し台車にダンボール6箱がドンと出た。

それをゴロゴロ押して営業所の中に入る。


「あのーー着払いでお願いします。料金はいくらですか? 」


「9180円です」


スマホで「着払いで送ったよーー」と連絡。


「一仕事終わったな」


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