第40話呪い



盾を左腕に装備した瞬間に声が・・・


『我は、お前のような者を探し続けたが・・・ようやく会えて嬉しいぞ』


なんなんだ、この声は・・・もしかして、魅入られて買ったのか・・・

それしか考えられない。

これって異世界のあるあるだぞ。


それにしても俺には、レジストやリフレクションがあったハズだ。

え!全然機能してないなんて、レア級の呪いらしい。

偉い奴に魅入られてしまったぞ。

自分自身を呪うような物を買うなんて・・・めちゃくちゃ悔しい。



あ!盾が消えたぞ。

なんと黒いスジが生きてるようにはい回る。

それは幾何学模様きかがくもようの黒いイレズミが徐々に出来上がっている。


左腕についていたアカを引っ込めて装備したのが失敗だった。

あ!それも魅入られてやったに違いない。

そんなバカな行動なんてあり得ない。


もう、魔王級の呪いのようだ。



もう、やるしかないと奥歯を噛み締める。

ビビッてる俺を「ビビるな!」と怒る。


右手で赤刀を抜刀して必死に見極めて左腕を切り落とす。


もの凄く痛い!


しかし、左腕は空中に止まったままだ。

あ!なんと腕の中の血があがなっている。

血魔法がなせる力のようだ。腕に血に魔力を込める。

なんてパワーだ・・・徐々に形勢は不利になりだす。


赤刀で左腕を斬る。


「カッキーーン」と弾かれた。


なんでっと思いながら次の手を打つ。


右手で炎を出して燃やすぞ。

メラメラと燃えているのに平気な腕が浮かんだままだ。


なんで・・・燃えない。


『あがなうな・・・我に従え』


「なんでお前なんかに・・・この化け物が」


『なんとつれない奴だ。これも運命だ』


あ!とうとう血が負けてしまった。



「もう、ままよ」


俺は空に逃げた。

風魔法を使って逃げるしかない。


え!背中に悪寒が・・・振返ると左腕が追い駆けていた。

そうだよな・・・空中に止まってたなら飛ぶのも当たり前だな。


それでも追いつけてない。

ならば隕石を落とす。

もう最大級の隕石が腕に衝突。凄い爆音と温風が吹き荒れる。

顔や体には、無数の傷跡が残った。


え!なんで。


それでも腕は健在だった。

あの隕石でも負けたのか・・・信じられない。


何かいい手はないかと必死に考えて飛び続ける。


「あ!そうだ。アカ、オリハルコンの太刀を出してくれ」


空中に現れた太刀を掴んで念じる。

光輝いて凄い勢いで飛び出す太刀がうねりながら腕を突き刺す。

目も開けられない状態だが奴の声が聞こえるぞ。


『そんなバカな・・・我が負けるなんて・・・ありえん』


念じるのを止めて目を見開く。


なんと腕は、ボロッボロと粉となって消滅してゆく。

あ!何かが小さな物が落下するのを見逃さない。

またまた生き返るのかと恐怖しながら急いで降下。

再生した左手でなんとかキャッチ。


え!見た事があるぞ。

勾玉だ。それも漆黒しっこくの勾玉だった。

手の中でも呪いをビンビンと発している。

持つのも危険だ。なんかの切っ掛けで蘇る可能能もある。


「どうしよう」


アカが出てきて『収納しようか』みたいな・・・「収納してくれるか」


手の中の漆黒の勾玉が消えた。


「アカ、大丈夫か・・・」


『大丈夫だよ』って丸表示。


「アカ、ありがとう」





業務用スーパーでいちごミルク飴を20も買ったぞ。

砂糖も2袋買った。


そして、おいしさいろいろ8種類のドロップ飴1キロも買った。

この飴はいくらで買ってくれるだろう。


そして塩キャラメル1キロも買った。

これなら高く売れそうだ。



そしてリトナス国のおっさんに全てを売った。


大金貨60枚を手に入れて、それを持ってあの錬金術店へ。


アカがペシペシと選んだのは、厳重に飾られていた剣だ。

大金貨30の剣で店の主人は、最高級で高名な錬金術師が作ったと自信ありげに自慢してた。

仕入れるのに苦労したらしい。


俺は色々買いたかったが、アカが『帰るよ・・・』的な動きをみせる。

アカは、アカなりに何かあったのだろう。

だから仕方なく帰った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る