第32話旅1日目
もうエルフの森では、歓迎されたが夕食は野菜やお芋ばっかりで肉料理はまったくナシ。
そうなのだエルフさんは、菜食主義らしい。
オークの肉を食べ過ぎたせいなのか、なんか物足りない。
長老に精霊王の話を聞いても・・・はぐらかされて話してくれない。
それでもエルフさんの舞は綺麗だった。
動きが滑らかで全員が同じ舞踊で、まったくの乱れもない。
「エルフの舞踊が見られるなんて・・・」
そんな歓迎ムードの中で猫族の家長から話し掛けられる。
「盗賊からエルフさんを守ったから・・・感謝の気持ちらしいですよ」
猫族のシリー・ベンは「そうですか・・・盗賊を倒されたのですか・・・」
「大変でしたよ・・・」
「人族の情報を知ってますか・・・」
「いえ・・・まったく知りませんが・・・」
「それなら教えましょう」
そして色々と聞いた。
盗賊に落ちた人族は、人徳から外れる行為をして国から追われた人族らしい。
性格が悪かったり、異常者のサイコパスみたいな・・・
そしてカルマは、エルフさんと人族で信じられる風習で・・・
カルマがマイナスになると、さげすみや
そんなマイナスカルマの人族が少しづつ集まって生きるためにコロニーをつくったらしい。
そして盗賊になって暮らす日々・・・
それしか生きる道はない。
なんか悲しい話だった。
「どうでしょう・・・我が国にも来ませんか? 」
そんな風に誘われたら行くしかない。
「よろこんで行きます。どのくらい日数で行けますか・・・」
「そうですね・・・4日でずね」
え!そんなに近い国なのか・・・折角来たんだ・・・行くしかない。
エルフさん達の物静かな立ち姿に見送られて、エルフの森から立ち去った。
猫族『ガンバ商会』の荷馬車が走り続ける。
荷馬車は、下級ポーションの木箱で一杯だっよ。
そしてガタンゴトンと揺れのでアカをお尻の下にして、なんとか居心地の悪い荷馬車をしのぐ。
それに対して『しもべ』達は平気だ。
ハイブラックは、荷馬車の横で警戒しながら
走り続けて4時間が経過した時に事件が起きる。
ハイブラックが「ウオーー!」と突然に吠えた。
「何事だ!」
俺は荷馬車から顔を出す。
ハイブラックが颯爽と走る姿をとらえた。向かった先は草むらでそのまま飛び込む。
なんとオークが隠れていた。
一気にオーク3頭の首を
そして着地した目の前のオークを真っ二つに切り裂く。
「ギャーー!!」と泣き叫ぶオーク。
その頃になって猫族も矢を放ちだす。
その矢は1頭、2頭、3頭と一撃でオークを倒す。
大した腕前だ。
赤スケルトンは、すでに矢でオーク10頭を倒していた。
そんなオークの死体は消える事はない。
「オークは消えないのか・・・」
「魔物は元々から魔物だから消えませんよ・・・ウフフフ」
え!笑われたよ。
魔物が魔物なのは当たり前で説明にもなってないよ。
斜面からでかい猪に乗ったオークが攻めて来た。
数は30以上だ。
風魔法の刃を無数に放つ。
呆気なく猪やオークを無数の刃が斬り裂く。
悲鳴も叫ぶ暇もない。
「あんた!凄い魔法だね・・・髪が黒いと、そんな魔法が放てるの・・・」
「まあ・・・なんとか」
風魔法って、ここでは珍しいのか・・・
そのな死体となったオークを解体する猫たち・・・
剣やナイフで大まかに切り分ける手作業はプロ級だ。
え!骨も・・・
「あの骨を粉末にすると性欲剤になってよく売れるのよねーー」
え!あの骨がバイアグラになってビンビンになるらしい。
女性が飲むとビンビンに快感を得るって・・・そんなの信じられない。
「シリー!もう荷馬車は一杯だ!これ以上解体は無駄だ」
「仕方ない!そのまま放置ね!」
え!置いて行くの・・・
「よかったらこっちで回収しようか・・・」
「なにを無茶な・・・どうやって回収を」
そんな時だ。アカがオークを次々に回収。
「これってアイテムボックス・・・生きていて初めて見たわ・・・」
猫族全員が驚く。
こっちにもアイテムボックスってあるんだ。
しかし、アカの収納が桁違いの収納力と知ったら、もっと驚くだろう。
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