第28話道しるべ
またも7階層にやって来た。
オリハルコンの金属を発掘するためだ。
え!何か変だぞ。
音がしない・・・森を抜けても・・・え!滝がないぞ。
そんなバカな・・・『しもべ』たちと一緒に掘り返すが、それらしき痕跡もない。
ただあったのが扉だ。
え!もしかして8階へと続く階段なのか・・・
その扉は閉まった状態だ。
「おい!開けゴマ・・・やっぱ開かないか・・・」
扉を押してもビクッとも開かない。
引くも取っ手もないから引くことも出来ない。
ドンドンと叩くも微動だにしない。
あ!小さな文字が・・・『アラタナセカイノトビラ』ってカタカナで書いたあった。
あ!こっちにも書いてあった。
『フタツノダンジョンヲミロ』
『アラタナセカイ』って階段を意味してるハズだ。
誰も見つけることが出来なかった8階への階段。
そんな階段なのに開かないって・・・殺生だよ。
そして人類が足を入れてない世界だ。
『フタツノダンジョンヲミロ』ってどんな謎解きなんだよ。
この扉を発見後に、他のダンジョンへ行けって意味か・・・
豊田、熱田のダンジョンには、すでに行ったからそれしか考えられない。
ならば、もう1回他のダンジョンへ行ってやる。
目の前に金をぶら下げているようで、なんか無性に腹が立つ。
扉があるのに中に入れない。
その気持ちを何かにぶつけたい。
あまりにも凶暴なイメージしかしないオリハルコンの太刀を使ってみるか・・・一度も試してない。
ダンジョン内なら何が起きてもかまわない。
「アカ、オリハルコンの太刀を出してくれ」
やっぱ夢でなくオリハルコンの太刀はあった。
魔力を込めればピカッと光る。
もう、この状態で何でも斬れそうな気分だ。
あのダイヤでも斬れそうだぞ。
目の前の大地を斬りたいと思った瞬間に光が勝手に伸びて斬りわけた。
ズバッと斬っていた。
え!思っただけで斬れるの・・・
そんな凄い太刀だったのか・・・それにしても綺麗に斬れている。
人間が斬れるハズのない大地を見ながらスッキリした。
『フタツノダンジョンヲミロ』
その言葉を信じてみる。
とりあえず!豊田駅前ダンジョンへ行って滝があるか探すのもいい。
なので1階に急いで戻る。
秘密のドアで豊田駅前ダンジョンへ来た。
またも魔物を無視して7階へ急ぐ。
それらし川もない。
なので熱田ダンジョンへも行った。
やっぱ無かった。
あの謎のカタカナが示した2つのダンジョンも見た。
それで条件が揃ったハズだ。
またまた裏山ダンジョンに戻った。
6階層のオークのキング、2号、3号とレッドを前で話す。
「いいか、これから8階層へ挑む積もりだ。しかし、日帰りは無理だし何が起きるか分からない。オークは畑の世話をいつもの通り頼む。レッドは『オーク』の店へ野菜をいつものように運んでくれるとありがたい・・・」
人類で初めて踏み込むと思うと、わかれの挨拶のようになった。
それが『しもべ』達に緊張を与えたようだ。
レッドとアカは、互いにペシペシとやってる。
映画かドラマの影響だろう・・・今生の別れ的な雰囲気・・・なんか気が引ける・・・
「行くぞ!」
3頭と1匹に見送られて急ぐ。
そして7階層の扉へ。
え!なんで・・・開いてない。
俺を騙したな・・・ならば赤刀で斬ってやる。
壊す選択もありだ。壊したら入れない可能性もあるが仕方ない。
大きく構えてジリジリと近づく・・・え!・・・
扉が動きだしたぞ。
近づくと開くようになってたのか・・・開いた中には、やっぱり階段があった。
色々文句も言いたいが『しもべ』を引き連れて階段を下りた。
え!真っ暗な空間だ。
『
そして、目の前にステータスが勝手に現れる。
そして『ゲート』と文字が異様に輝いていた。
え!ゲートって何。
そんな風にゲートのことを考える。
その途端に明るい鏡のような物があった。
そして、誘われるように鏡に入る。
あれ!原っぱだ。
なんでこんな場所に居るんだ。
後ろを振返ると鏡があった。
鏡の裏側を見ると鏡はない。これって、なにかのトリック・・・
そうか・・・これがゲートなのか・・・
「ゲートよ消えろ」
あ!消えたぞ。
「ゲートよいでよ」
お!ゲートが出た。
そして頭を突っ込む・・・え!なんで我が家の古民家の中なの・・・
もしかして、家のことを考えていたからか、そうに違いない。
だったら好きな時に、こっちに来れるのか・・・とっても便利だぞ。
俺の足を引張る奴が、こっちに戻った瞬間に女の悲鳴が聞こえだす。
引張ったのはハイブラック。
え!こっちに向かって走って来たのはエルフ・・・
耳が尖っていて、肌は透き通るほどで顔も超美人。
目は青く髪が金髪。完璧な女性のエルフだ。
そのエルフが立ち止まった。
なんか『しもべ』達を見て怖がっている。
そのエルフの後ろから追い駆けてきた男達も驚愕な顔で立ち止った。
「心配しなくていいよ・・・ここに居るのは仲間だから」
エルフに日本語が分かるとは思わないが、とりあえず話した。
「助けてください。あの人族は、わたしを捕まえて奴隷にする積もりです」
普通に言葉が通じているぞ。
やっと正気になった男達の数は11人。
「お前は何者だ。おとなしくエルフを渡しやがれ!そんな魔物なんか怖くないぞ」
なんなんだ、この男達の髪の色は、赤に青にブラウンと違う色だ。
青髪って
あ!赤髪が剣を抜きやがった。
その剣がボワッと炎に包まれる。
そんな剣を持って熱くないのか・・・なんだ平気のようだ。
そして、俺に向かって来た。
やばいと思った俺は、手に持っていた赤刀で防ぐ・・・え!炎の剣が切れた。
「俺の魔剣が、なんてことしやがるんだ」
「お前が!俺を殺そうとしたから・・・」
「奴を魔法で殺してしまえ」
もう問答無用な雰囲気だ。
青の髪の毛の男3人は、水の槍を空中に出した。
7人のブラウンの髪の毛は、石の
その全てをアカが飛跳ねてバババババと防ぎきった。
俺は怒りの声で「奴らを殺せ!」
殺しに来た奴なんて容赦はしない、いくら人間の姿でも。
すでに後ろに回り込んだハイブラックが4人を噛み殺した。
赤スケルトンの矢も3人を射抜いた。
全てが心臓の命中。
アカも3人を溶かしていた。
「痛い!痛い」と叫びながら溶けている。
「よせ、殺さないでくれ」と頼む赤髪の男に怒りを覚える。
ああ、闇金の武士の姿をダブらせていた。
だから俺は、赤刀で首を
え!死んだ奴の体がキラキラと光って消えだす。
着ていた服や靴は、そのまま残っていた。
俺は、その服を触りまくる。
死体がない。え!懐には布袋が・・・その中には、見たこともない金貨や銀貨に銅貨あった。
服のスキ間から転げ落ちたのは、スキルオーブより小さな赤い球が・・・
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