第26話レッドの仕事



ご主人は、ノートパソコンで何かを調べている。

そんな、ご主人の1番の『しもべ』がアカ様専用のノートパソコンでお笑いを見ている。

今も笑っているのが、わたしにはわかる。


そんなノートパソコンをわたしには、触らせくれない。

少しぐらいならいいと思うのけど・・・



柱時計の音が鳴り出す。

あ!もう時間だ。

玄関へ行きドアをスーッと開けて外にでる。

そして閉める。


あ!空に星さんがキラキラ光って綺麗だ。

たまに見えない日があるのは、なんでだろう。


さあ、道をピョンピョンと飛びはねてゆく。

右にカーブ、あ!左カーブ。


それでも平気に飛びはねる。



とうとう光の化け物が通る道だ。

ご主人は、気をつけるようにと言ってた。


なのですみっこをピョンピョンとはねる。

人間を見たら隠れる必要がある。

ご主人の命令だから・・・あ!何かがいる。


急いで茂みに入って隠れる。

なになに近づいてくる。


クンクンと匂いをかいでるのは、たぬき。

動物ランドの番組で見た。


なにをかいでるの、わたしは無臭なのに・・・

もう嫌になちゃう・・・


たぬきは、無視して飛びはねる。

え!ついてきてる。


飛びはねるスピードを上げて引き離す。

ああ、もう見えない。なんだか助かった。



あ、目印に到着。

何か書いてるがわたしには分からない。

しかし、この道を進めば仕事場って知ってる。


なので飛びはねて進む。


あ、仕事場だ。


あれーー、仕事場から光りが・・・これが残業というものなの・・・

ご主人は、しばらく待ってから入るように言ってた。


なので近づいて中を見る。


なんと人間の女性だ。

アカさんは、気をつけないとダメな女がいるって・・・

しかし、そんな雰囲気はない。

違う女、なんだろう。


あ!こっちにやって来た。

またも急いで隠れる。


仕事場の光りが消えて出てきた。

今度はすみっこに行って、あ!!光の化け物が走りさった。


あの女の人は、どこにもいない。光の化け物に襲われるなんて・・・かわいそうに・・・


これも仕方ない。わたしは悪くない。


動物ランドで弱肉強食ってやってたから、弱いものは食われる運命なのかな・・・


わたしは、わたしの仕事をするだけ。

わたし専用の通路に入って仕事場に入る。



この台には、赤い実を置いて。

こっちには、鮮やかな色の実を置くことにする。

それっぽい匂いがするから間違いない。


向こうの台には、カチカチさんが用意した玄米って物をポンポンと置いてゆく。



これってわたしが大好きな松茸。

しかし、生だから食べない。我が家に帰れば好きなだけ食べれるから・・・

ご主人にも食べたらダメって言われている。


ああ、忘れるところだった。

赤くブツブツな実も置くのを・・・この新しい台かも・・・

カチカチさんがパック詰めしたもので・・・上にのせるのはダメだって・・・実が痛むらしい。


ここの仕事場での仕事が終わった。




あ、奴だ。


このみにくい悪魔め。

ご主人の大嫌いな黒い悪魔をがぶっと捕獲して溶かしてしまう。

味は以前に食べたピーナツのような味に苦味が少し感じるていどで、あんがい好きかも・・・


ご主人の言ってた通りに何匹も、シュッと捕まえて溶かして溶かし尽くす。

もう、何匹いるの・・・


そんな狭い中にコソコソッと入っても無駄だぞ。

えい!この野郎・・・やったーー!!食べつくした。

悪魔を退治した。



今度は、向こうの仕事場へ行けば終わり。


この仕事場にポイ、ポイ、ポイと出す。

これで終わり。


なのに人間の気配がする。

ピョンピョンと飛びはねて近づいて見る。

やっぱり男の人間だった。


しかし、なんだか嫌な感覚が・・・これはダメ人間に違いない。

ご主人は、人間を殺すなって言ってた。


だから殺さないように火球で驚かすなら大丈夫。


ポワッと火球を出して男にゆらゆらと近づける。


「ギャー!!人魂ひとだまだ」


そのあわてようは凄かった。

後ろにひっくり返って足を引きずりながら逃げていった。



さあ、わたしの仕事は終わった。

帰りましょう。



細い道も何回通ったかな・・・今日は風も冷たいから気持ちがいい。

あれ!何か匂う。

匂いのほうに・・・あ!


体が回転しながら落ちる。

なんとか何かにつかまえる。


わたしとしたことが・・・うかつだった。

ここはどこなの・・・


斜面を登るたびに崩れるなんて・・・なんて情けない土なの・・・

あ!そうだ。


ミサイルのように飛べるかも・・・

戦争映画では、ミサイルがビュンビュンと飛んでた。

あれぐらいなら、わたしでも出来る。


炎を吹き出す。


お!浮いた。

もっと吹き出す。


あ!見覚えのある道だ。

このまま飛ぶのアリかも・・・アッという間に我が家だ。

そのまま突っ込む。


ワーーァ大変、コントロールができない。

ドカンと鳴り響く。




我が家のドアがガバッと開いてご主人が飛び出した。



「なにごとだ!隕石か・・・あ!レッド」


わたしは、スリスリと寄ってご主人の足につかまる。


ご主人は、わたしを抱いて我が家に入った。

なんだか気持ちいい。


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