第19話新疆ウイグル自治区



中国は、初期の段階から地方の小民族をダンジョン探索者として登用。

地方の民族は、劣悪な労働と少ない賃金にあきあきしていた時期。

期待を込めて探索者となる者も多く現れる結果となる。

探索者は、命と引き換えに家族を養うために必死に戦い続けた。


「いいか!金になるドロップ品は高く買取るから絶対の取って来るんだぞ!」


兵士は、そんな激を飛ばして探索者の動向を見守り続ける。


「言われなくても頑張るって」


探索者は、妻や息子の顔見て「いいドロップ品を持って帰るからな」

最後の別れをしていた。


「体には気をつけてね」


「わかってるよ」




5階層。

門が開いた状態で探索者を待ち構えていた。


「ここが悪魔の罠か・・・」


「行くしかない・・・勝てるか・・・前回の攻略では、誰も帰ってこなかった」


「それを言うな・・・俺らは、充分に実力をつけて来てるんだ」


「俺らのグループも、すでに23人もの犠牲者を出してるんだ。ここで引き返す選択はない」


10人の探索者が警戒しながら門の中に入る。

全員が入った瞬間に門が突然に閉まった。


「あ!閉じ込められたぞ。どうするんだ!」


リーダー「目の前の化け物に集中しろ!」


最初に仕掛けたのは、魔法使い。


「火球」と唱える。


火の球が現れて蜥蜴とかげ人間に命中。


しばらく燃えていた火は消えたが蜥蜴人間は、平気に立っていた。


「なぜだ!火球が効いてないぞ」


大きな斧を持った男が木を切り倒すように振り抜いた。

「キーン」と金属音が響く。


「嘘だ!」


「こんな奴に勝てるのか・・・」


蜥蜴人間は、あざ笑うように舌をチロチロと出している。


リーダー「あきらめるな!魔法使いの2人は、火球をあるったけ当て続けろ。炎を絶やすな」


「しかし、奴には火が効かないぞ!それでもやるのか!」


「俺に考えがある。だから信じろ」


炎が燃え盛り蜥蜴とかげ人間のウロコが真っ赤になった。


水が入ったペットボトルをリーダーが蜥蜴人間に向かって投げる。


当たった瞬間に水蒸気爆発が起きた。

水蒸気で視界は0。


しかし、視界が戻った時には、頑丈だったウロコはがれ痛々しい姿になっている。

その剥がれた体にリーダーの槍が「これでもかーー」と強く突き刺さった。


「ギャーー」と叫ぶ蜥蜴人間。


弓使いも矢を射る。

プスプスと2本が突き刺さる。


それを見ていた仲間が剣で「やってやるぞーー」と突き刺す。

それが致命傷になって蜥蜴人間は倒れた。

そして消えてしまう。


「あれを見ろ!魔法陣だ!」


恐る恐る魔法陣に乗ると目の前が明るくなった。


「なんなんだ・・・この光景は・・・」


草原が広がり遠くに山も見えていた。


「おい!太陽があるぞ」


「なんて世界なんだ」


遠くから音が聞こえてくる。


「おい!豚が2本足で走ってきてるぞ!」


「数は3頭だ!3対1で仕留めるぞ。お前はこっちのチームだ」


アタッカーが豚の気を引いたスキに火球が命中。

1頭が倒れて消える。


タンクが攻撃を防いだ。

回り込んだアタッカーが後方から斬り倒す。


残った豚は、他の豚より大きい。


「こいつ、しぶといぞ!」


「全員でかかれ!」


一斉に槍が突き刺さり、剣士の2人が斬る。

矢は目を射抜いた。


「なんだ・・・肉がドロップしたぞ」


「お前の火魔法で焼けないか・・・」


「まあ、やってみるが・・・おお、なんと美味しそうな匂いが」


全員で肉を満腹になるまで食った。


「ああ、水は・・・」


「帰りの分を考えるとダメ・・・節約しないと」



「おい!こっちには川があるぞ」


「これって、ここで生活できないかな・・・」


「肉だけでは・・・そうか、土地と川があるなら畑にして野菜やトウモロコシに麦も育てられるかも・・・地上に上がった時に種を買って来るか・・・」



新疆しんきょうウイグル自治区の1つのダンジョン。

ダンジョンの入口の兵士に賄賂を手渡して、家族をダンジョンに連れてきた。

その6階層で探索者がコロニーをつくり出していた。


1万も住むようになってウイグル自治区を支配する中国人もおかしいと想うように・・・


「下で何か企んでいるな・・・白状しろ」


「なにもしてませんよ。これで許してください。それに下で住んでるだけです」


「こんな、はした金・・・バカにしやがって」


それは、小さなケンカで始まり、カッとなった兵士の発砲で探索者が死ぬ結果になった。

しかし、兵士にはなんの罪も科せられない。

兵士同士で口裏あわせの嘘の証言がすんなりと通ったからだ。



「そんなのありか・・・俺は見てたぞ」


「わたしも見てた!」


怒った探索者はストライキを決行。

ついには、ダンジョン封鎖をしたのだ。



「あの無法者を逮捕しろ!」


ダンジョンに突入した兵士は、呆気なく敗退。


「このままだと上に知れて大変な事になりませんか・・・」


「わかってるが・・・」


「ダンジョンもろとも破壊して埋めましょう。そうでないと他のダンジョンにも広がる恐れが・・・」


「それしかないな・・・ミサイル発射の準備をしろ!一気に片づけるぞ」


その時、ダンジョンに居た探索者全員にビジョンが見えていた。

それは、まぼろしのようにダンジョンに向かうミサイル攻撃。

そしてミサイルに対して、火の槍で全てを打ち落とすビジョンも見えていた。


すぐに動いた探索者は、地上に出た時には・・・うっすらと霧がダンジョンからもれていた。


「この霧はなんだ」


「それより魔法が使えるか試すしかない。俺の勘では、すぐそこまで飛んできてるハズだ」


男は「火の槍」と唱えた。


炎が現れグルグル回りながら槍の形状になった。

そして凄い勢いで飛んでいった。


横の男も同じように火の槍を飛ばした。


そして、幾つもの火の槍を放った。


1キロ先で最初の爆発する光景が見えた。

その爆発の数が更に増える。


更に火の槍を準備するがミサイルは、1つも向かってこない。


誰かが「ミサイルに勝った!」と叫んだ。


「俺らは勝ったんだ!」


「やったぞ!中国に勝ったぞ!」


勝利を祝う探索者と家族と住民達だった。



戦車が来ても同じだった。

剣で2つに切り分けたり、砲身を素手でへし折られたりして敗北。


夜になると暗視スキルの探索者は、中国前線基地に潜入して司令官や将校を暗殺。

前線基地はパニック状態になって機能できない。

そんな惨敗があっちこっちに広がりだす・・・




それは中国の指導者に知ることになった。

話し合いは5分も掛からない。


「核攻撃しかありません」


「仕方ない。それしかないな・・・核攻撃を許す」


最後の手段の核攻撃の命令が発動。


しかし、突然に黒いドラゴンが現れて、建物を壊して中国指導者を食い殺した。

瓦礫で死んだ者や・・・すぐに逃げ出す者で修羅場と化した。

その残像は、全ての探索者が見る羽目になった。


「なんなんだ・・・この映像は」


「あの人!知ってるぞ」




『我らに干渉かんしょうするな。すれば死が訪れるだろう』


逃げ出した者も次々に食い殺された。


核の発射に係わった全ての人々が1日で食い殺されることに・・・

その数1万も超えてる規模。



その出来事は、世界中に知れる事になる。

核の脅威から開放され、ダンジョンを所有する国々は同盟を結びだした。

ケンカを売ったら何が起きてもしらないぞ・・・的な。


ロシアやアメリカは、ただ傍観ぼうかんするしかない。


反ダンジョン連合


インドネシア

イラン

アフガニスタン

トルコ

メキシコ

インド

パキスタン

ペルー


日本は、反ダンジョン連合と話し合ったが物別けれとなってしまう。


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