第18話自己回復
『ユニコーン』は、新たなスキルオーブを大々的に記者発表。
大勢のカメラマンや記者が詰め掛けていて、会場は大賑わいであった。
司会の女性が現れるとフラッシュが「パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ」とたかれる。
その司会は、フラッシュがやむのを待って、ようやく話し出す。
「今回のスキルは自己回復のスキルオーブです」
会場全体が驚きの声で響きわたった。
1人の記者が勝手に大声で「回復の能力は、どれぐらいですか!」
司会は、あきらめ顔から微笑み顔に変えて話し出す。
「質問は後で行なう積もりでしたが、重要な質問があったので答えます。自己回復のスキルはポーションと同等の能力があります。大怪我も勝手に治す能力で、さらに大量の血を流しても30分後には、血の量も回復する能力です。強力な睡眠薬で眠らせても5分程度で正常に回復します」
それは驚きの情報であった。
大怪我を負ってポーションで治しても、流れ出した血の量まで回復できなかった。
なので8時間から24時間でようやく回復するのが現状である。
だから激しい動きは貧血を起こす原因でしかない。
「それは、実際に回復したものと見なしても良いのでしょうか? 」
「それは答えられません」
「なぜですか!おかしいですよね。
「スキルを習得された方におうかがいしてください。わたしからは、それ以上の話はできません。オークションは今日から始まり、1週間後が最終落札日です」
「今回も匿名落札ですか!」
「今回は、能力を広く知ってもらうために情報開示で誰が取得するか顔の写真と名前の公開を義務つけます。嫌なら落札には参加できません。落札後の人の変更も不可です」
「それは、なんの意味があるのでしょう」
「
最後の言葉には怒りがこもっていたので記者からも驚きの声が・・・
なぜなら記者の数人も誹謗中傷したからである。
そして誹謗中傷をしたであろう人物の名が読み上げられた。
報道関係者に配られた資料には、住所、職業、年齢などが書かれている。
「あ!中本の名が・・・偉いことになったぞ」
「え!内のからも・・・本当なら訴えられるぞ。奴は!逃げやがった」
- - - - - - - -
厳重に警護された密室で会合がなされていた。
政府関係者や学者にギルド関係者で・・・23人もいる。
「あの自己回復のスキルオーブが本当に存在するのかね・・・どうなってるんだ」
「確認はできてません。前回のアイテムボックスは、CEO自身がダンジョン内でギルド支部長に見せていましたが、今回は1つしかないという理由で確認はできてません。しかし、探索者クラウンは本気に落札しようとクラウン間で話し合ってます。ダンジョン7階層の攻略を視野に入れての事でしょう」
「7階層を攻略できるのかね・・・」
「7階の魔物は狡猾で毒や魔法攻撃でタンカーを攻め立てるのです。なのでポーションが尽きる前に撤退するしかありまえん。しかし、自己回復があれば回復しながら攻撃を受け続けられるので有利になると考えられます」
「ならアメリカも狙っているのか・・・それにしても、CIAの連中には期待した私がバカだったよ」
「監視カメラを詳しく調べた結果ステルスのような物で身を消していたと・・・この映像を見てください」
スクリーンにCIAの連中が取囲む光景が映し出された。
ある者は、ホルスターから拳銃を出していた。
そして、なにも無い場所が拡大された。しかし、映像には小さな穴が・・・その穴も拡大されて・・・
「これは
「え!ステルスの布なら知っているが、こんなに綺麗には消えるハズがないぞ。そんな技術が開発されたのか? 」
「私の判断ですが・・・ダンジョンの魔法アイテムか魔法のようなものと・・・」
「なにを言う・・・地上では魔法が使えないハズだ」
「いえ・・・中国で使用されてます」
「なにをバカな・・・あれは、ダンジョンの意思だと聞いているぞ」
「ならば使う方法は、無限にあると考えるのが妥当です・・・」
そんな深刻に話し合っている連中に、新たな情報がスクリーンに流れだした。
1人の男が中央に座っていて、取囲むように複数の男女が背後に立っていた。
中央の男には、
「我々は中国と決別してトルキスタンとして独立宣言を公布する。中国の同胞よ、我らに続け」
「中国から独立したのか・・・それにトルキスタンといえば
「中国は、いったい・・・」
「チベット人もモンゴル人も黙ってないだろう」
「まだまだ北京では、代表も決まってないのに・・・」
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