第16話古民家Ⅱ



蛇口をひねっても水が出ない。

えーなんでと裏口を出て、あ!タンクだ。

タンクも汚れてるしフタを開けてのぞいて見る。なんだよ底に土が・・・

そんな水って飲めないぞ。


タンクに突っ込まれたゴムホースが裏山に続いてる。

これは山の川から水を引き込んでいるのか・・・そんな水で生活してたんだ。


「なになに掃除してくれるのか」


アカがタンクの周りを這うとタンク周りが綺麗に・・・そして中まで入る・・・

中を這って水道管の中まで入る。

そんな管に入っても平気なアカに・・・


気づくと「水が綺麗になってる」

すくって、ちょっと飲んでみる・・・普通の水だ。


あ!アカは・・・

俺は急いで家に入って、蛇口をひねると水が出てきたぞ。

そんな蛇口からアカもニョロッと出て来た。


ピョンピョンと跳ねて、またも裏口に行ったぞ。

もう、勝手のどこへ行くんだ。

またも裏口を出るとタンクの中に入る姿があった。

タンクの中をのぞくとアカはゴムホースの中に・・・


ゴムホースの中のアカを感じつつホースを移動するアカ。

もう追跡するしかない。

険しい斜面を登って行き着いた先に川が・・・あれ!アカは・・・どうやら追い越していた。


ホースの入口は、落ち葉や砂利で詰まった状態だ。

このままじゃーダメだ。


俺は急いで落ち葉と砂利を手でかき出す。

水の冷たさを感じながら・・・あ!アイテムボックスに収納すればい良いと思いつく。

手をかざして念じる。お!上手くいったぞ。


その時だ!ホース入口からアカがバッと出てきた。

ボコボコ、ボコとホース入口に水が吸い込まれだす。


「アカ、えらいぞ」


そんなアカを抱えて山を下りる。


ああ、庭もひどいな・・・

庭に一杯に積まれた木と雑草は、景観の邪魔だ。

せっかくの庭からの眺めも台無しだよ。


なので魔法を試す。


「インフェルノ」


地獄の業火が木と雑草を一瞬で燃やす。

消し炭となった場所にアカがダイブ。


え!熱くないのか・・・そしてアカはプイッと何かを吐き出す。


キラキラと輝くガラスのような物が・・・

え!これってダイヤの原石。収納ってそこまで出来るんだ。

炭素を超高温・超高圧でダイヤができる話は知ってたが、アカにとっては何でもありだ。


俺はスマホで人工ダイヤの値段を調べた。

なんと天然ダイヤモンドの5割~7割の価格が相場だ。


そして天然ダイヤモンドと同じ成分で作られる合成ダイヤモンドは、半額の値段だった。

鑑定機関で測定して合成ダイヤモンドと判断するらしい。

鑑定士が見ても見破られなの合成ダイヤらしい。


はたして、このダイヤモンドはどっちだ。


野球ボールぐらいの原石を太陽に光にかざして見る。

透明度は抜群で不純物のないよな・・・



これって石田幸子の会社の送って売ってもらおう。

目立つのも嫌だし・・・


「町に行くぞ!アカ、ついて来い。他の皆は、家で待機だからなーー」


軽自動車に乗ってボタンを押す。


「出発だ」




ここの宅配でいいか・・・


箱を買ってダイヤモンド5つを詰める。

緩衝材はこれくらいかな・・・


テープを貼って、宛名も書いて住所は前の住所だ。

中に手紙も入れたから大丈夫だろう。



古民家で必要な物でも買おう・・・



えーと電気温水器を売ってるのは、ここか・・・スマホで名を比較して間違いない。


「すいません。電話した者です」


「いらしゃいませ」


42万2400円を自前での設置と運ぶことで14万3779円。

なので14万4千円を数えながら払う。お釣りもしっかりもらった。


「案内します」と丁寧ていねいな振るまい。


案内された先に、電気温水器給湯専用370L、マイコン型・標準圧力型・丸形があった。


後は運びます。

軽々と抱えた事に驚く店員。


誰も見てないのを確認してアイテムボックスに収納。



軽自動車に乗って「家電屋に行くぞ」



エアコンも買って大型冷蔵庫と大型テレビも買った。

俺用のテレビだ。


「え!85V型テレビを買えって・・・仕方ないなーー」


33万1245円だと・・・


俺の55インチが・・・





古民家に帰って来た。


「なになに、テレビを接続してくれって、ダメだよ。俺の方が先だ」


リビングに設置してアンテナ線も繋いだ。

大型冷蔵庫も設置。

エアコン設置に少々時間がかかった。



そして、アカの所へ戻ったら85V型テレビが映ってた。


「誰がしたんだ」


ピョンピョンとアカが前にでる。


「お前!見て覚えたのか・・・」


ビヨーットと丸表示。


「凄いなアカは・・・」




さあ、いよいよやるぞ!

指先を針で刺す。ちょっと深めに刺してドバッと血が・・・

そして念じて古民家全体をコーティングだ。


「はあ、はあ、ダメだ。貧血だ」


トマトジュースを一気飲みして休憩。

自己回復能力で血の補充も完了。


またも血のコーティングを開始。

終わった瞬間、座り込む・・・トマトジュースをまたも一気飲み。




そんなこんなで1週間。


石田幸子から連絡があった。

あのダイヤモンドは天然ダイヤモンドと判定。

凄い事だと騒ぐ幸子。


「1つちょうだい」


またもせびられた。手数料とあきらめる。


ダイヤモンドは伝手を使って売るらしい。


それに前に手渡したハーピーの羽の研究成果も聞けた。

ハーピーの羽を粉にして飲むとフワリと10センチ、空中に浮くらしい。

風魔法の浮くだけを習得。

飲む枚数が増える度に20センチ、30センチと浮くみたい。

なんとも不思議な現象だよ。


最後に自己回復スキルオーブに驚いたようで、手紙に書いてある以上の情報を欲しがった。


「いやいや、それ以上知らないって・・・」



そして、自己回復スキルオーブをオークションに出品するらしい。

またも世間を騒がせるだろう。


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