第15話古民家
山の細い一本道をクネクネと走り、落ちたら死ぬぞと思う道も走る。
そんな苦労して到着。
車のドアをガバッと開けると森特有の香りが広がっている。
山の中の一軒家。それが目の前にあった。
頑丈なつくりの古民家でよかった。
「空気がいいぞ、アカもでて来いよ」
ピョンと飛び出すアカ。
針でチクッとして『しもべ』よでて来いと願う。
3つの血の球が『しもべ』へと変化する。
レッドが早く形となる。
次は赤スケルトンと続きハイブラックは大きいので最後。
マジで地上に現れた『しもべ』達。
玄関前は蜘蛛の巣だらけで手で払う。
「えーーと鍵は・・・」ポケットをまさぐってあった。
玄関の鍵穴に差込んでカチッとして開けると・・・もやっとした匂いが・・・
何年も開けてない。
靴を脱いで中に入る。え!くつしたの下が真っ黒だぞ。
それでも、すべてのドアや窓も開け放つ・・・
風が吹き抜けて少しはマシになった。
そこから『しもべ』達が見えた。
ピョーンと跳ねてきたアカ・・・なになにって雰囲気だ。
「アカとレッドは、家のあとかたつけと掃除だ。赤スケルトンは雑草と邪魔な木の伐採を頼むぞ。ハイブラックは家の警備」
レッドも家に入ってきてテレビやタンスも収納。
それに通ったあとが綺麗に・・・古びた畳がホコリ1つもない。
もう掃除のプロだな。
なになにアカが天井裏に入ったぞ。
ごそごそしてる。心配になって忍者のように飛び上がった。
そして、のぞいた。
暗視の能力で真っ暗な天井裏が見える。
天井裏に溜まったホコリを吸取っていた。
アカのこだわりなのかテレビの影響なのか・・・
アカが俺の所へ・・・「え!どいて」と言ってるような。
分かったよ、退くよ。
え!今度は土壁を這ってる。通った後には道が・・・
不思議な能力だ。
縁側から外を見たら綺麗サッパリとなってた。
赤スケルトンに手渡した剣でバッサバッサと切りまくったようだぞ。
今度は根っこを引き抜いた。
凄いなーーあんなにボウボウだった雑草と木が無くなってるぞ。
え!気づかなかった土蔵があった。
なんと厳重な扉なんだ。錠前も昔風でサビついてる。
これは、ちょっとやそっとでは開きそうにない。
えい!ままよ。両手で一気に引張るとバキンッと壊れた。
扉を引張る。
「なんだ!これは!空気がよどんでるぞ!」
重く暗い雰囲気が・・・「なんだハイブラック、何か感じるのか」
もう1つの引き戸を開くと、のそりと入るハイブラック。
慎重に調べて何かシャー、シャーと引っかく。
「どれどれ、俺がやるから」
素直にゆずるハイブラック。
これは仕掛けがあるな・・・板をズッと押してずらして、真上から押してみた。
カチッと音がしたぞ。そしてバコンと床が開いた。
ハシゴがあって下におりれるぞ。
何年も外の空気に触れてない感じがヒシヒシと・・・
それでも下りた。
え!拷問部屋・・・
時代劇で見る三角形の木を並べた台。
それに90センチ×30センチ×厚さ10センチの石板が5つも・・・
台に正座させて石を載せるやつだ。
なんかゾッとしてきたぞ。
え!もしかしてシリアルキラー・・・
シリアルキラーの定義も色々あるらしい。
FBIの本を買って詠んだことある。
・1人か珍しいパターンで複数による犯行。
・2人以上の殺しをしている。
・殺人をそれぞれ別の場所でおこなっていて、別の時間に起きている。
・殺人が一定の間隔を置いて行われ、大量殺人と連続殺人で区別。
ああ、なんとオドロオドロした部屋だ。
居た堪れなくなってハシゴで上がる。この部屋はNGとして入るのはやめよう。
そんな俺にアカが肩にピョンとのって来た。
終わったよって雰囲気をかもし出す。
「そうか終わったのか・・・」
蔵をでて古民家に入ると綺麗サッパリ何も無くなってた。
「今度は俺の家から持ってきた家具を設置してくれ」
ウンウンとするアカ。
「ここは、俺が寝る場所な」
ベッドがポンッと現れる。ふわふわ布団セットも一緒に。
「今度は、ここはくつろぐ部屋な」
テーブルやソファなどなど・・・
ピョンピョンと跳ねて別の12畳の部屋に・・・
え!ここがアカのお気入りの部屋か・・・テレビとブルーレイレコーダーが勝手に出したぞ。
え!ここが『しもべ』の部屋だって・・・しかたないな。
好きにしろ。
「なにするんだ。
むちゃしやがる石灯篭を部屋に置いた日には、床が抜けるわ。
リモコンで何度も電源スイッチを押すアカ。
「アンテナ接続も電気も通ってないって」
なぜって顔をしても無理。
俺は屋根に飛びのって壊れたアンテナを庭に投げ捨てる。
そして最新のアンテナを出して設置だ。
アンテナ線を垂らしながら家に引き入れる。
その光景をアカが近づいて見続ける。
「もうすぐテレビがつくから待ってろ」
それでも見続けるアカ。
テレビまで引き込んでアンテナ線をブルーレイレコーダーに繋げてテレビにも繋げる。
アカは、またもテレビの電源を入れた。
「まだ早いって、電気がないのに」
今度は分電盤を見るとやっぱヒューズタイプだ。
主電源をオフにする。すでに電気は流れてないが念のためだ。
買ってあったブレーカータイプに交換して、ポータブル魔石電源に繋げた。
電源をオンしてブレーカーもオン。
「もうテレビはつくぞ」
暇な時に取った電気工事士の資格がこんな時に役にたつとは・・・
もう、1年前から日本の全ての家庭はこのタイプ。
1年間使用可能で内臓された魔石電池も交換が簡単。
予備電源を入れて魔石電池を引き出して、新しい魔石電池を入れるだけ。
ゴブリンやコボルトなどの低級魔石の集合電池。
2年前の発明で実績は2年。
なくなった魔石電池は、6階層の住居エリアに山積みして24時間でチャージ終了。
リサイクル抜群の電池だ。
なので電気会社は、倒産するしかなかった。
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