第14話幸子の過去
あ!スマホが鳴りビックリする。
闇金の電話ではないハズなのに、奴は捕まって送検されてるって聞いてる。
幸子かと思ったが違ってた。
表示には探偵社と・・・
「はい、神です・・・そうですか・・・今から向かいます」
探偵社の話だと良い話らしい。なので金を引き出す必要がありそうだ。
どんな話の内容なんだろう。
ここも年期の入ったビルだなーー。
エレベーターの4階ボタンを押すとストンッとへこむタイプ。
めちゃ古いタイプで大丈夫か・・・このエレベーター。
それでも4階で機械音をだしながらドアが開く。
目の前に探偵社の看板。
そのドアを開けて入ると所長が、にこやかに待ち構えて居た。
「どうぞお座りください」
ゆっくりと座って相手をみる。
「君!お茶だ!」
「それより調べた内容を早くお願いします」
もう、はやる気持ちが抑えられない。
太い書類袋を出してきた。その上にUSBメモリもおいていた。
USBメモリを手に取ってポケットの中にしまう。
そして、袋から書類や写真を取り出す。
高木銀二
3年前の初期の探索者としても有望株で多くの資源を日本にもたらした。
探索者となって1ヵ月後に妻と息子が行方不明に・・・
本人は、警察に誘拐だと通報。
帰ったら家の中が荒らされていて血痕もあったからだ。
「わたしが悪いだ。わたしを
鑑識も血痕を採取。
DNA鑑定でブラシの髪の毛と血痕を比較。同一人物で間違いと鑑定。
家にたまたま居なかった娘だけが残ったらしい。
それに身代金の電話もなかった。
警察は、怨恨説や高木銀二の自作自演説で調べたが、何も出でてこなく犯人不明のまま捜査打ち切りとなっている。
俺は、幸子の名が気になった。
どうやって手に入れたのか妻と息子の写真を見た。
妻、幸子の顔が石田幸子の顔に似てることにビックリ。
そして、息子の顔と太った体型が俺の小学校高学年に似過ぎていた。
ああ、嫌な予感しか思いつかない。
顔を見れば分かるハズ。幼い顔写真でも面影が・・・「娘の写真は・・・」
書類を探してもない。1枚もない・・・なんで。
「それが無いのです。こっちも必死に探し回ったのに、私も不思議で・・・私が思うに本人が写真に写らないようにしていた・・・それ以外考えられません・・・娘さんの名は
もしかして、石田幸子は高木銀二の娘か?
「親の銀二に対して娘が
「あ!これは確かな情報ではないのですが・・・娘の唱さんの幼馴染に父親にレイプされたとこぼしたそうです。その話は、また聞きで幼馴染に聞き込みをしたのですが知らないと取材拒否ですよ。謝礼に5万を出すと言ったのに・・・それで、あっちこっちに必死の聞き込みをしたのですが、それ以外の情報がまったくありません。娘さんも優秀な探索者になって『ユニコーン』の最高責任者になってますよ」
なんて事だよ。
そんな大事な話を先に言えって!
『ユニコーン』の最高責任者で決定的だ。
それに絶対にレイプされてるよ。それに俺と付き合ったのも弟と似ていたからだ・・・弟と母親が唯一の心のよりどころだったのかも。
母親と弟は死んでるだろう。
高木銀二の性格から、そんな行動に移ってもおかしくない。
なんて悲しい話だ。
嫌々、そんな弟に似た俺を
また騙されるぞ・・・しっかりするんだ。
高木銀二と『ユニコーン』の関係は、何もないのか・・・
ぺらぺらとめくっても、そんな資料はない。
俺は絶対に怪しいと思うぞ。
無いことが怪しいのだ。あの金にうるさい高木銀二が金のなる木を手放すハズがない。
隠し財産が『ユニコーン』へ流れてるかも・・・
これ以上、探偵社に依頼しても何も出てこないだろう。
100万を取り出してテーブルに置いた。
バッと取って数える手早さは、なんなんだ。
俺が立上がっても見ない。
金に夢中だ。
そんな探偵社から出る。
外に出てネットで調べた不動産に連絡。
「はい・・・山の中の一軒家を買いたいのですが・・・はい、名前ですか神悠真です・・・今から行きます」
軽自動車(魔石EV)に乗って走る。
高速に入るとスピードを飛ばして豊田勘八I.Cでおりる。
更に走り続ける。
「え!これが不動産屋・・・普通の家じゃん・・・」
ガラガラと玄関を開けて「電話した者です」
初老の人が出てきて、応接室兼リビングに案内。
「こら!お客さんだ外で遊んできなさい」
「おじいちゃん、お金・・・ちょうだい」
「仕方にね・・・」
元気よく子供は飛びだす。
ああ、孫なのだろう。
ソファに座る前にテーブルに300万を置いた。
「物件を見なくていいのですか・・・事故物件ですよ・・・老人の孤独死できれいなものでした」
腐敗してなかったと言いたいのだろう。
本当に不便な場所で、裏山も込みの値段らしい。
「分かりました。手続きをしましょう」
呆気なく家を購入。
最近・・・つけられている気がしてた。
しかし、先進国にとって重要な情報。
殺しまでしそうで・・・だって平気で射殺する国だかね。
だから物騒になった。だから安心して住む場所が欲しかった。
軽自動車で何度も尾行をまいたが気のせいかも・・・
赤信号になるぎりぎりの瞬間に左折。
立体駐車場の上でアカに軽自動車を収納させて外に出る。
たまたま来たバスに乗ってまいた。
そのアカが後部座席で後ろを見てる。
「アカ、つけてる奴らいるか!」
いないいないとプルンとさせた。
「今から行く家で一仕事してくれよ。それが終わったら自由にしていいから」
あの事件以来、疑り深くなったもんだ。
その家でアカ以外の魔物にも開放したい。それが率直な気持ちだ。
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